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Biweeklyレポート 株式会社名南経営 執行役員 永井晶也
NOVAの実態
2007/11/12

行政処分がきっかけで経営破綻したと言われるNOVA。なぜ過剰な会員獲得をし続けたのでしょうか?財務データを分析することで経営の実態が見えてきます。



 駅前留学のNOVAが、いよいよ会社更生法の申請にまで至りました。(返還が求められている)前受け授業料は250億円を超えるほか、講師への給与の不払いが40億円もあるとか。

 NOVAといえば、過剰な会員獲得活動が問題となり、今年の6月には経産省から、役務提供期間が1年間を超えるもの、もしくは70時間を超える新規契約の勧誘・申し込みの受付・契約締結の停止について6ヶ月の業務停止命令を下されたところでした。この過剰な会員獲得は、2002年に東京都より業務改善指導を受けていたようですが、それが改善されることなく行政処分を受けております。

 NOVAの英会話市場における市場占有率(シェア)は、売上高基準で47%(2位のイーオンは13%程度なので圧倒的な首位)。受講者数基準で64%にも及んでいます(2006年実績:NOVAホームページより抜粋)。

 はて?売上高の根拠は受講者数です。それなのに、売上高と受講者数の占有率には大きな開きがあります。そこでNOVAで公表されている売上高670億円を、受講者数48万人で割ってみますと、平均13万9千円となります。これがNOVAの受講者の平均的授業料です。一方、それ以外の英会話教室の売上高760億円を受講者数27万人で割ってみますと、28万1千円となります。NOVAの倍以上です。これを見る限り、NOVAでは安売りを目玉に市場シェアを伸ばしてきたと推測できます。しかしそれでは収益構造が悪化するため、教室当りの単価を引き上げなければいけない、そのために無理な会員獲得を図り、収益構造のゆがみを是正しようとしたのだと推測できます。

 ここ3年のNOVAの業績(決算資料)を見ますと、17年度こそかろうじて黒字を計上しているものの、その後年々売上高は低下し、18年は30億円の当期損失、直近期の19年も25億円の損失を計上しています。そして、その間に自己資本比率は、17年の13.5%から19年には5.1%まで低下しています。さらに驚くべきは、総資本に占める繰り延べ収入(前受け受講料)の割合です。総資本に対する比率は、絶えず46〜50%の水準にあるのです。

 店舗出店の大半は、現受講者の前受け受講料を充て、新たな会員が獲得できれば、そこで得た前受け受講料を次の出店に充当していたのでしょう。まさしく自転車操業です。それでもバランスが取れているうちはよいのですが、この3年を見る限り、完全にバランスが崩れ、売上高は急降下しています。これにより資金繰りが急速に悪化するなか、とどめが先の業務停止命令でした。

 公開された情報を見るだけでも、今回のこうした事態は容易に想像がついたはずです。それでも多くの人にこれだけ多大な被害が及んでいるのは、こうした情報がまだまだ一般的なものではないからなのでしょう。これからは消費者といえども、企業の財務情報に敏感にならざるを得ない時代といえそうです。


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