21日の日本経済新聞では、09年度の大卒採用予定に関して、6年連続で前年度を上回ることになると報じています。08年度比でも9.1%増という大幅な増加であります。
2007年問題といわれた団塊世代の大量退職の最中にあり、量的な面でも大量採用をしなければ組織を維持できないという現実が、深刻な問題となっていると思います。
単なる仕事の引継ぎではなく、これまでの日本の経済成長を支えた技術の継承がなかなか上手くいっていないようですので、中長期的にも競争力の低下は拭い切れない懸念材料でしょう。
大企業がこうした人員の確保に躍起になっているのは、先にも述べましたとおり、団塊の世代のリタイアによる就業人口の減少という背景ですが、当然この世代は経営者層も多く存在しますので、(本来ならば)中小企業の事業継続にとっても深刻な問題なのです。年間30万社程度が廃業している中で、後継者不在を理由とする廃業は実に1/4近い7万社もあるそうです。こうした後継者不在による廃業は、今後ますます増加することでしょう。
例えば、いま60歳の経営者がいるとしましょう。この先10年以内には仕事を辞めている可能性が高いにも関わらず、まだ会社をどうするか(誰が継承するか)が曖昧なままという企業は相当数に上ると思われます。まだまだやれるという気持ちが、そうした現実から無意識のうちに目を背けさせ、それが現実的な問題となったときには、「時、既に晩し」ということにもなりかねません。
私も日ごろはコンサルタントとして、企業様の経営のお手伝いをしておりますが、その中で特に重要なテーマは、中期的な経営戦略のあり方です。どういう方向性を持って市場における競争力を高めるのか・・・、クライアントの社長様と共に日夜頭を悩ませています。そんな中、先にも述べたような廃業予備軍の存在を、ここ数年はいつも頭に入れております。近い将来、必ずそういう企業が増えてくるからです。これからの企業戦略を考える上では、こうした(廃業する可能性のある)企業を積極的に取り込む(M&A)という戦略も常に頭にいれておかなければいけません。
会社としての魅力は乏しくとも、ある一部を取り出して見れば、十分お金を出して買い取るだけの魅力を持っている事業者は多く存在するはずです。そういう(可能性のある)企業を絶えず意識しておく必要があるのです。
大量退職時代は、大量廃業時代でもあります。こうした時代の中で、どのように存在価値を高めていけるか、どういう技術を取り込めば、自社の競争力を高めることになるかを、ゼロベースで考えておく必要があります。その一つの選択肢として、M&Aは有効な手段となる可能性が高いといえます。
|