4月5日の朝日新聞(東京朝刊)に、新社会人の就労意識の変化についての記事が掲載されていました。キリン研究所の調査結果で、仕事観などを尋ねるインターネット調査に、この春就職の20歳以上の男女843人が答えたものです。
それによりますと、新社会人の実に53%の人が、「入社が決まっている会社でずっと働きたい」と答えているそうです。「仮に転職しても自分のやりたい仕事をしたい」の33%を大きく上回っています。また、05年の調査開始時は転職派が49%で最多、終身雇用派は35%に過ぎなかったことを比較しますと、この3年間で大きな意識の変化があったことがうかがえます。新聞では、この最近の景気減速懸念が、若者の仕事観に「堅実性」をもたらしている可能性があるとしています。
このところ年功序列や終身雇用制を見直そうという動きをよく見聞きします。過度な成果主義や能力主義によって、期待する成果が得られないばかりか、多くの社員が疲弊し、戦線離脱で業務に支障を来たすようなことでは、何のための人事制度かわかりません。特に最近の若者に関しては、社会全体が極端に豊かになったことなどが影響し、反発係数が低くなっているといわれます。突き放せば、「何くそー」とばかり向かってくる社員はどんどん減少し、突き放せばそのまま「さよなら」となる社員が増加しているといえそうです。
若者の気質がこのように変化しているとすれば、先の「同じ会社でずっと働きたい」という若者が増加していることにもうなずけます。環境が悪くなり、将来が不安になれば、安定を求める気持ちが強くなる。むしろ安心できる職場、安全な職場を提供することのほうが、社員が力を発揮できると考える向きも理解できなくはありません。
しかし、単に年功序列や終身雇用を導入すれば、それで企業の目標が達成されるとは到底思えません。年功序列や終身雇用にはするけれども、仕事の質や量に関しては、徹底的に「詰める」という(上司の)姿勢が無ければ、単にぬるま湯で居心地の良いだけの場に成り下がってしまいます。そのようになってしまった組織が、これだけ厳しい競争環境の中で勝ち残れる可能性は1%にも満たないことでしょう。
組織を活性化させるには、やはり刺激が必要です。それは、目の前にぶら下げる人参でもなければ、むやみやたらのムチでもありません。継続的な行動に結びつけるための「好奇心」と「成長の実感」です。
好奇心を持たせるには、仕事の与え方の工夫が必要でしょう。マンネリ化した仕事では好奇心を持てといっても難しいでしょう。いかに知的好奇心をかきたてる(ような仕事の与え方ができる)か、そういうものすら与えなければいけない時代という認識は必要でしょう。
また、成長の実感を持たせるには、「詰める」ことが重要です。一生懸命やるからこそ、自分の成長が実感できる。一生懸命やらないものは絶対に成長を感じることはできません。成長への「気づき」が無いからです。「気づき」の多さが成長の源泉であります。その「気づき」を得るために、徹底的に「詰める」という仕事は上司の重要な役割です。
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