年初に今年の問題として、資源高による原価高騰を上げましたが、想像以上にその影響は大きくなりつつあります。
4月28日の日経新聞によりますと、過去三年での価格上昇が世界にもたらしたコスト負担増は、原油で200兆円、鉄鉱石と原料炭で20兆円、小麦など穀物三種で30兆円、合わせてざっと250兆円に上るそうです。それでも、ここまで最終製品の価格がそれほど上がらなかったのは、企業努力で吸収できたという見方ですが、ここへきていよいよそれも限界にきつつあるというのです。日本の上場企業も、この問題に加え、(これも年初に問題とした)コンプラ対応によるコスト増、アメリカ経済の不透明感による需要減退などにより7期ぶりの減益となる可能性が高まりつつあります。
こうした事態に、各業界のリーディングカンパニーは、企業再編によって競争力の維持、強化を図ろうとしています。新聞紙上でも、あちらこちらで、買収、合併、提携、連携といった言葉が飛び交っています。
現在の極端な資源高が意味することは、「このままの収益構造では、これからは通用しませんよ」ということです。激しいグローバル競争を勝ち抜かなければいけない多くの企業では、現場の「改善」という程度の努力ではこのような環境変化に適応できないと判断し、規模の拡大あるいは事業領域の拡大(ないしは絞り込み)を図ることで、「収益構造を抜本的に再構築しよう」という動きになっていると理解すべきでしょう。
「企業とは環境適応業である」とは、かのピーター・ドラッカーの有名な言葉です。変化を続ける経営環境に適応することによってのみ、企業は市場に存在価値を示すことができる、そうあり続けることだけが企業の発展を約束するものである、という意味です。
これはまさしく本質であり、環境変化の中で存在価値を失えば、事業は急速に衰退することになります。よって、企業と名のつくものは全て、自社を取り巻く環境変化を認識し、そこに適応するための変革を続けていかなければいけません。そして、もうひとつ重要な課題が、環境適応のスピードであります。昨今のようにネットワーク化が進み、あらゆる変化のスピードがとてつもなく速くなっている時代では、当然変革にもスピードが求められることになります。昔は「企業の寿命は30年」などといわれましたが、今では確実に10年以内といってよいでしょう。(IT業界はドッグイヤーなどといわれましたが・・・)
こうしたスピードを伴う変革には、M&Aという手段が有効です。これは中小企業といえども人事ではありません。これから多くの技術や能力が、事業承継でのつまずき等から市場に出てくる可能性があります。こうした資源を見逃す手はありません。そういう意味でのM&Aの有効性は、(中小企業にとってこそ)今度ますます高まってくることでしょう。
いま、時代は大きな分岐点にきていると認識する必要があるでしょう。中小企業といえども、現在の経営環境にマッチしていないと考えるなら、一刻も早く事業の再構築を図る必要があります。明確な事業方針を打ち出し、これから取りうる全ての手段のメリット、デメリットを総合的に判断し、最も費用対効果の高い手段を選択する必要があります。
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