トヨタ自動車の新型プリウスが好調です。5月の発売以来既に(6/10時点)受注は14万台を超えているそうです。ずば抜けた燃費性能も然ることながら、エコカー減税などの政策的背景も加わり、この御時勢においてまさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。
こうした小型車志向、エコカー志向は暫く収まりそうにありません。一方で、これまでの稼ぎ頭であった大型車、高級車といえば、依然厳しい状況を余儀なくされています。こうした市場の声に対する各社の反応は素早いものです。今後の重要課題は、本来儲かり難い小型車でも儲かる体質への転換であると認識し、収益構造の改善に躍起になっています。こうした大きな方針転換は、裾野の広い自動車産業全体に大きな影響を及ぼしてきます。
こうした流れは、いずれやってくるものと誰もが理解していたのでしょうが、この急激な環境の変化が、ひとつの流れを大きく推し進めることになりました。
環境の劇的な変化は、企業経営のあり方にも劇的な変化を求めてきます。経済環境の変化は、消費者の動向に大きな影響を与えます。消費者の思考パターンの変化が、消費活動に変化をもたらし、そうした変化に適切に対応できる企業が勝ち残ることになります。企業収益回復の条件は、まさにこうした環境変化への適応の程度ということができます。経営環境への適応という点において最も重要なことは、リーダーである経営者が、どういう意思決定を下すかということです。意思決定しない限り、何も変化はしません。環境が変化する中で、企業だけが変化しないとすれば、いずれ存在そのものが許されなくなるかもしれません。いまこそ、重要な意思決定の時期であることを認識し、新たな方向に向けて舵取りしなければいけません。
ここで重要なことは、どの程度思い切った意思決定ができるか、ではないかと考えます。経済全体をみれば、従来のやり方のまま黙ってみていても、V字回復は見込めないでしょう。これまでのままでは、L字型(底打ち→横ばい)がやっと、下手をすればI字型で真っ逆さま・・・、ということにもなりかねません。
思い切った意思決定・・・。まず、これまでとは、正反対の可能性を考えてみてはどうでしょう。既存顧客への深耕政策をとっていたなら、新規への広がりに重点を置いてみる。営業活動も効率に重点を置いていたなら、ここではあえて無駄を容認し可能性を模索することにウェイトを置いてみる。商品に関して、価格競争力の維持に力を入れていたなら、これからは付加価値の追求に時間をかけてみる・・・。そういう中に、新たな成長性の芽が無いか、真剣に考えてみる必要がありそうです。
環境の変化は、個々の企業で千差万別です。一概にこういうやり方が良い、というような無責任なことは申し上げられませんが、「自社を取り巻く環境の変化の程度」に合わせた、変化=革新が図れなければ、厳しい状況に追いやられる可能性が高いということだけは紛れもない事実であります。
まだ資金的には多少の余力のある時期だと思います。これもいつまでも続くわけではありません。借りたものはいずれ返さなければいけない。その時期が来る前に、素早い対応が求められます。中小企業の強みは、その身軽さです。大企業でさえ、精一杯のスピードで転換を図ろうとしています。今こそ、経営者でしかできない仕事、「正しい意思決定」に全精力を注ぎ、企業の舵取りをしていただきたいと存じます。
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