新築着工件数の減少に歯止めがかかりません。先頃、国土交通省より発表された新築着工に関する統計データを見ると、9月の新築着工戸数は全国で61,161戸。昨年12月より実に10ヶ月連続で前年割れです。しかも4月以降は前年比60%台まで低下し、この8月、9月はそれぞれ62%、63%と大きく下げております。21年9月における過去1年間の新築着工件数は、84.2万戸となりました。21年3月における過去1年間が104万戸でしたので、この半年間で実に2割もの減少となったわけです。
一方で、リフォームやリノベーション(不動産再生事業)といった、既存のストックを活用したビジネスは堅調に推移している模様です。朝日放送の人気番組「大改造!!劇的ビフォアアフター」ではありませんが、新築よりお値打ちに新築同様の家が手に入るとなれば、堅実な今の一次取得者層にとってはとても魅力的な商品なのでしょう。
また、これには構造的な背景もあると思います。それは住宅余りの時代になりつつあるということです。少子化に伴う人口の減少、人口構造の変化により、住宅があまりつつある。空き家率に関する調査結果を見ても、総住宅数は総世帯数を大きく上回っています。平成15年の調査における空き家率は、すでに12.2%に上昇していました。これは調査の度に増加傾向にあります。こうした構造的な背景により、新たに造るということより、今あるものを有効に活用するという気運が、現在の景気の後退と相まって、こうした流れを一気に加速しているのではないでしょうか。
一方、中部地区の主要産業である自動車関連も同じような激変にさらされています。自動車の使用状況を見れば、平均保有年数は6.5年で過去最長となり、平均使用年数も11.7年と過去最高になっています。車の性能が上がり、壊れ難くなったということもあるでしょうが、消費者の懐の具合と将来への不安が買い替えを抑制しているのでしょう。
また、広く海外に目を向けますと、世界の自動車販売では、2009年通期でいよいよ中国での販売が米国での販売を抜いて世界1位となることが確実となりました。今後、急激に拡大する可能性を秘めている中国市場での覇権をめぐって、シェアで劣るトヨタ自動車も本腰を入れつつあります。
反面、国内市場では選択と集中が進んでいます。中長期的に国内市場の伸びは無いとの判断から、自動車各社が販売車種の削減を積極的に進めつつあります。ここまで部品の共通化などでコスト削減を進めてきましたが、いよいよそれでは追いつかない状況となり、世界での競争を見据え、本格的な選別局面に入ったということでしょう。
このように、裾野の広い二つの業界で大きな変化が起こっています。こうした市場の変化は、需要の変化によって起こります。そして市場の変化は、そこに関与するすべてのプレイヤーに大きな影響を与えます。売上が倍になる企業もあれば、半分になる企業もあるかもしれません。あるいは来年から仕事の大半が無くなるというような極端な例も増えてくることでしょう。予想以上のスピードで変化が進んでいます。改めて、大所高所から業界の動向と、それによる影響を予測しなければいけません。
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