【年金制度の課題】
年金は少子高齢化で破綻する?これは破綻をしないまでも、舵取りを間違えると危うい問題である。今後確実に年金受給者は増加し、一方で徴収保険料は減少するため、賦課方式は徐々に危機に陥る。このため、年金額を抑制し、徴収保険料を増し、国庫負担を増やし、積立金を取り崩す、という舵取りをすることになるが、どこかの時点で、一部を直接の保険料方式から間接の税方式に転換しないと徴収保険料と年金支給のバランスがおかしくなる。
【年金記録漏れ問題】
年金番号は3億件あると報告されている。日本の全人口の2.5倍以上である。就労者の比率で考えれば4倍以上。つまり一人あたり4件の年金番号を持っている勘定になる。なぜこのようなことが起きたのだろうか。それは「申請主義」に問題の根がある。つまり、年金受給手続の際に本人に確認して過去を洗い出し、最終的に履歴を統合させればよい、という、やむを得ないながらも安易な方法である。それも、自分が関係しない、誰とも判らない人の遠い将来のことである。これが現場の意識を緩ませた。こまめに年金番号を統一し、消しこみ、履歴の重複が起きないように番号を厳密に管理する、ことは先送りされた。コンピューターが嫌いな労働組合の反発もそれに拍車をかけたということだ。結果、5000万件といわれる番号が宙に浮いた。しかしこれはシステム的に解決できなかったのだと思う。転職を繰り返し、個人事業主にもなり、滞納もし、転居し、姓が変わり、被扶養者になり、または離婚をし・・・・多くの人は補足不可能な人生を歩む。転居先を社会保険庁がわざわざ探すなどということはあり得ないのである。(これを確実にトレースするしくみは国民総背番号制と高度IT技術を駆使しなければ実現困難である。しかしこれは反面でプライバシー保護という大問題を抱える。)この問題を根本的に解決するため、平成9年1月に基礎年金制度が導入されたが、年金番号の重要性を国も、企業も、個人も認識していなかったため、新規番号は安易に発行され続け、多くは放置された。
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