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人事労務トピック 株式会社名南経営 常務取締役 小山邦彦
企業再編における人事労務問題(その3)
2008/10/27

前回の「2.人事制度のすり合わせ」の続きで、今回は給与制度についてです。原則、統一すべきですが難航が予想されます。対処方法についてご説明します。



 次に給与制度であるが、これは根が深い問題になる。分割や合併の当然承継の場合は、再編を理由に給与の不利益改定をすることはできない。ゆえに通常はそのままダブルスタンダードで行くか、総支給を変えずに支給内容を変更することが多い。前者は問題の先送りなのでここでは述べないが、後者の場合は一般に次のような手段になる。


1.諸手当の支給基準は統一させる

  職務関連手当(役職手当、公的資格手当、特殊職務手当等)と生活関連手当(家族手当、住宅手当)の支給基準は再編を機に統一するべきである。特に役職手当は再編にあたっての新組織体制に直結するものであるため、存続会社の制度自体も見直す必要に迫られることが多い。一方の生活関連手当も配偶者や子に対する手当の差異は徐々に不満の元(合理的な説明がつかないことによる衛生要因の悪化)になるため、これも早急に統一させておきたい。もちろん、高いものを低い方へ合わせる場合は前回述べた不利益変更の諸要件のクリアが必要になってくるが、ここは激変緩和措置(徐々に下げる)と代償措置(調整手当で総支給額は維持する等)を中心に進めることになる。さらには細かい項目として、通勤手当支給基準や出張日当なども統一することになる。


2.基本給制度(決定基準)を統一させる

 ここは単一企業ですらなかなか基準が作れないものであるため、異なる企業文化から派生した制度を統一するのは至難である。しかし少なくとも、職能等級の段階とそれに対応する職能資格手当(資格給)は統一させるべきである。もちろん職能等級を設定する限りは、等級要件(その等級に要求されるスキル等)を明示することが要求されるが、これはすぐに出来るものではないため、まずは役職や年次(キャリア)を手掛かりに職能資格制度全体を再設定することになることが多い。この結果、基本給が高すぎる人はその分を調整手当で逃がすなどの代償措置は必要になる。この償却方法=激変緩和措置は、一定年限を定めて、例えば標準評価以下の場合は一定割合を減額する旨を就業規則(賃金規程)に明記するとか、昇給昇格時の賃金アップと相殺するなどの手段を講じることになる。これは再編に限らず、給与制度改定でよく用いられる方法である。


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