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「中小企業に時価会計を部分導入・日商などが統一指針」と今月始めに新聞各社の報道があった。 |
中小企業庁の中小企業の会計に関する検討会でも昨年新たな指針が出ているが、日本商工会議所、企業会計基準委員会、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会が検討委員会を設置し「中小企業の会計に関する指針」の策定作業に入り、今年6月を目処に指針を出す予定だ。
全国で資本金3億未満の中小企業が約120万社あると言われ、今後3年間で約30万社がこの指針に従った財務諸表の作成がされることを目標とするらしい。中小企業の財務諸表の作成に税理士事務所の
関与が不可欠とされるが、税理士事務所の立場から、中小企業の決算作業現場での問題点を検討したい。
税理士事務所が中小企業の決算を策定する際に、拠り所としているのは法人税法に従った税務会計である。先の新指針では固定資産の減損処理までは要求しないものの、原則時価会計を導入することになる。税務会計と時価会計の違いを簡単に列挙すると
1 固定資産の減価償却計上
法人税は任意、時価会計は規則的・継続的な減価償却の実施であり、これにより実質的な
自己資本が確定する
2 営業債権等の取立不能見込額
時価会計は取立不能の発生時点で個別債権ごとの評価で貸倒引当計上を迫られ、法人
税で言う損金算入時期での引当計上で済ますことは出来なくなる
3 グループ会社や取引先等への投資有価証券も各社の決算書を入手し、強制評価減が
必要な場合には、その手当てもしなければならない
4 在庫も帳簿数量と実際数量が異なれば当然、実際数量での評価で計上を迫られる
5 有利子負債のワンイヤールールも正確に処理しなければいけない
6 重要な会計方針の注記も明示しなければいけないし、貸借対照表に関する注記も 「担保
に供している資産」「役員に対する金銭債権」等も資料を入手し明示しなければならない
中小企業の会計は強制ではなく努力目標ではあるが、金融機関からすれば真の自己資本を確認する必要があり、融資の姿勢も決算書の作成方法で変わってくるであろう。
多くの決算を担当する税理士事務所からすれば、残高が合った、法人税法の規定で決算修正を処理しただけでは済まなくなり、企業会計に対する知識、従来の決算では必要のなかった資料の確保も必要になってくる。
課税所得と会計上の利益を調整する別表4の加減算項目が多いほど、新指針に対応した税務申告書の作成と評価される時代になる。
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