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今回は、杭州など3箇所のソフトウェアパークを実際に見学して知り得た、中国のソフト開発事情をお届けします。 |
上海への出張にあわせて、古くからの知人が経営するソフト開発会社へ見学
に行った。1995年に中国進出された、元大手会社のSEの女性が経営する会社だ。
彼女の案内で、彼女の会社の位置する、杭州ソフトウェアパークを見学しつつ、
中国のソフト開発事情とソフトウェアパークについて話を聞いた。
杭州は、上海の南に位置するリゾート地で、電車で2時間半のところにある。
ソフトウェアパークとは、政府主導で、土地・建物を整備し、ソフトウェア
関係の会社を誘致している日本の工業団地のようなところ。
ソフトウェアパークの特徴は、
1 安定した電力供給
2 高速インターネット回線
3 家賃・管理費が安い
4 開発者の採用が比較的容易
中国では、最近、電力不足を抱えており、深刻な問題だ。
企業の電力使用にも制限があり、ピークとなる夏には、毎週月曜日は停電とな
ることもある。ソフトウェア産業にとっては電気が使えなければ死活問題。
ソフトウェアパークは独自に発電所を持っており、電力には困らない。
ソフト産業にとって、高速インターネット回線も必須事項。
仕様書や設計書を送受信したり、インターネット電話を使っての打ち合わせも、
もはや当たり前になっており、高速回線がないと仕事にならない。
高速インターネットを低価格で利用できることも、大きな魅力。
10M回線で500元。日本円にして7000円ほど。
上海商業区より数倍早くて、数倍安い。日本はさらに安くて速いが。
ソフトウェアパークは郊外にあるため、家賃・管理費も比較的安い。
今回見学した杭州のソフトパークは、2.2億元を投資し、23階建てのビル。
14階までは入居済みだったが、上の階は空室だ。
見学した150m2で約7,000元。日本円にして約10万円。
誘致のために、数ヶ月家賃無料の物件もある。
広々としたソフト開発センターを作るならば、ソフトウェアパークは魅力的だ。
今回、杭州だけでなく、上海西南部と、さらに西にある無錫の3箇所のソフト
ウェアパークを見学したが、3箇所とも周辺に理系大学が隣接していた。
理系大学でプログラミングを専攻している学生は数百人単位で在籍しており、
大学と交渉して、毎年一定の開発者を採用・確保することが可能だ。
インターンシップ制度もあり、学生のうちにアルバイト契約して日本語教育や
開発実務をさせることも可能で、開発者の採用面に心配はない。
設備面、人材確保面で、中国のソフトウェアパークには大きな魅力を感じる。
ただし、中国のソフトウェア産業には大きな課題がある。開発者の流出だ。
中国では、より高い給与、地位、待遇を求めて、転職を繰り返すことが
当たり前。せっかく雇用して、教育をした人材が、来年も我が社にいるとは
期待できない。ソフトウェア産業では、属人的になりがちだが、退職しても
大丈夫なように、会社としては企業防衛が必要。
重要なことは、業務の標準化・マニュアル作成と、報告・チェック体制の
整備が必要と思われる。
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