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ライブドアの監査責任者になり、そしてファンドを解散まで追いやった田中会計士の「会計士としての信念」に強い共感を覚えます。 |
表題は、ライブドアの会計監査人であった港陽監査法人(6月解散)の田中
パートナーが先だって出版した本のタイトルである。ライブドアが買収した会
社の現金を還流させ、売上高を水増しした手口、ファンドを使った自社株式売
買益還流のスキームなど、散々、マスコミでも紹介された内容が克明に記され
ている。その意味で手口情報等には新鮮味はないが、田中会計士が自ら先輩会
計士を越えて、ライブドアの監査責任者になった経緯、問題となったファンド
に警鐘を鳴らし、ついにファンドを解散にまで追いやった経緯が現場当事者と
しての迫力を持って書かれている。
当時の経営陣である堀江・宮内両氏に対し「私の意見が嫌なら監査人を降り
る!」というプレッシャーを掛け、適正な決算に導こうとした田中会計士の
「会計士としての信念」に同業界に身をおく者として頭が下がった。
港陽監査法人の売上の14%がライブドアグループからの監査報酬であったこ
となども披露されている。中小監査法人の経営から考えれば相当の勇気のいる
ことであったはずだ。
苦労して上場をし、苦労して上場を維持し、常に成功のストーリーを演出し
ないと株主からそっぽを向かれる、そういったライブドア経営陣のあせり、監
査法人も商売なんだから「我々に意見を言ってきても、最後は監査人はサイン
をする」と監査法人を見下した経営陣、及び、当時の担当会計士の軟弱な対応、
こうした事がミックスされてライブドアの企業文化が醸成されていったようだ。
中小企業の税務を主に扱う税理士も、顧問先企業から報酬を頂戴して生計が
成り立っていることは事実であるし、その意味で、社会通念から少し離れたと
ころでの企業に都合の良い解釈を全く受け付けないという方法論で通していく
のは難しいと考える人は少なくないであろう。田中会計士の文中に「本来、報
酬をもらっている相手にだって厳しい指導はできるはずなのだ・・」とある。
この志が資格者と企業を繋ぐ原点であると強烈に感じさせてくれた。
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