学習院大学の脇坂教授が「右腕が中小企業の経営業績に与える影響」というテー
マで興味深い論文を発表している。約4100社の中小企業で行った調査で、社長
の「右腕」の存在が「売上」「利益」「事業拡大意欲」・・などの経営項目に関し
てどのような影響を与えているかを統計手法を用いて分析している。
まず、調査会社の内、自社に「右腕」が存在すると回答した企業は約75%、いな
いとした会社が25%となった。
「右腕」が存在するとした企業で統計上「有意」とされた項目を列挙してみると
1 「右腕」と経営者の続柄は親族・親戚が35.5%、親族でない社員が49%
2 「右腕」のプロフィールは男性で平均年齢44歳、平均勤続年数14年
3 「右腕」の担当業務は多い順で、営業→管理全般→生産技術→経理・財務。
4 「右腕」の採用・育成で多いのは中途採用者を育成したケース。
5 親族でない「右腕」を後継者として「考えている」のは全体の20%
6 社長と「右腕」の学歴の組み合わせと経営貢献の関係では
・社長が理系大卒で「右腕」が文系大卒の組み合わせがパフォーマンスが高い
・社長が中・高卒の場合は「右腕」が理系大卒の組み合わせが良い
・社長が文系大卒の場合は「右腕」も文系大卒の組み合わせが良い
人材の限られている中小企業で「右腕」の存在は経営のパフォーマンス、現在の競争力においても自信を持っているケースが多く、「右腕」の労働市場の発展・育成が今後の政策課題であると結んでいる。
となれば、親族でない「右腕」に経営のバトンタッチが円滑に進めば良いのだが、
「所有権」の移譲も同時に解決されなければならない。しかし、社長個人で抱えて
いる保証の問題、所有権を移譲するにしても多額の資金を必要とする問題などハードルも高い。ファンドと組んでMBOの対象となる中小企業は限られている。
「所有権」を持株会社に移行して「配当」で債務を解消し、後に合併する事例な
ど親族でない「右腕」への事業継承対策も、会計事務所が先導するケースは増える。
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