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WEEKLY REPORT 名南経営センターグループ代表 佐藤  澄男
中国に進出している中小企業の新たな課題

2006/12/25


「中国子会社はトントンであればよい」という考え方をそろそろ改める時期かもしれません。“移転価格”の問題や従業員のモチベーションへの影響を最近耳にします。



上海で地銀の取引先の懇親会があり参加した。50社程度の参加であったが大半が製造メーカーで、日本の主要取引先の中国子会社向け部品ベンダーや中国製造→日本への輸出という従来型の進出企業も多く参加していた。参加者の数社が最近、中国の税務調査を受け「移転価格」の問題で課税処分を受けているとのことだった。

中国に進出している一部の中小企業では、中国子会社の利益はトントンであればよい、従って日本本社への売値の決め方も、中国子会社の粗利益=中国子会社の固定費の発想に従っているように思える。中国に投資をして稼がなくても良いから安く日本に輸入できればという考え方だ。中小企業には連結決算という考えがないから、日本本社の利益を優先し、日本への売値を少しでも抑える傾向にある。

「移転価格」の問題も大企業の話でなく、中小企業の中国子会社の粗利益が低ければ税務当局が日本への売値の是正を求めてきている現実がある。その意味で中国子会社も売値決定における理論武装をしておかねばならない。

売値決定→中国子会社の妥当な粗利益確保という課題は、中国従業員のモチベーション向上にも関連している。進出後、中国子会社の体制も安定し、子会社の経営陣に中国人管理者を登用するケースが多いが、彼らからすると「一生懸命仕事をしても、子会社の利益は全部本社に吸い上げられる」といった嘆きを聞くことも少なからずある。これでは士気高揚も望めず、最悪、不正の図式も出来上がってしまう。

制度的に求められてはいないが、親子連結の考え方を導入し、本社・子会社双方が納得いく売値決定のプロセスを検討する時期に来ているのではないか。

 


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