税理士による電子申告の代理送信が可能になって、法定調書の電子申告から始まって今回の個人所得税の電子申告の普及が一挙に増すと想定されている。現実に昨年まで電子申告の不便さから、積極的に推進する税理士事務所は一部の団体に限られていたが、代理送信が可能になって、税理士事務所から顧問先へのアピールをする事務所が急増しているようだ。ある大手事務所は1ケ月で約2000件の電子申告開始届を提出した。勿論、顧問先に同意を取り付けた上での話しだが、その後、税務署から顧問先に届く「納税者識別番号」「仮暗証番号」等が税理士事務所に送られてくるが、その後の運用管理に頭を悩ませている。
代理送信によって顧問先である納税者の面倒はなくなり、税理士事務所は申告書印刷→押印→税務署への持参・郵送という手間もなくなるという点では双方にとってのメリットだが、一方、代理送信の手順は納税者の識別番号、暗証番号を税理士側が入力し、申告書データの入力、税理士の電子署名を付して終了となるので、言葉は不適当かもしれないが委託を受けた税理士側が納税者個人になりすまして国税のサーバーにログインすることと同じ結果になる。
ここまでは納税者も税理士に代理送信を委託したのだから疑問もないと思うのだが、送信後、国税と納税者との間で「メッセージボックス」という納税者自身の「秘密の部屋」において国税からの「通知」が行われる。通知の内容は「電子申告を受信しました」といった程度のものから始まって個人所得税の申告後の場合は「所得金額、納税額」といった数値情報も表記された形で受信完了の案内が来るようになっている。納税者は自身のボックスに交付された識別番号、暗証番号でログインすれば当然、国税からの案内も確認できるが、同時に委託を受けた税理士、税理士職員も必要に応じてログインが可能になる。
となると、納税者からすれば、税理士事務所に預けた各種番号の管理がどうなっているかは関心の的になるはずである。
・他の税理士事務所に顧問を変更した場合には
預けてある番号はどうなる?
・担当の職員が退職してもメッセージボックスを覗けるんですね?
こうした疑問が出てくるはずである。
預かった仮暗証番号は税理士事務所側で変更しています、変更後の暗証番号は一定の責任者しか知らせていません、納税者から暗証番号を知らせて欲しいと要望があった際には、納税者の本人確認の上、配達証明等の形式でしかお知らせできません、当事務所はそこまで暗証番号管理を徹底しています・・・といったアピールが必要になってくるのではないか。
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