あるセルフ式ガソリンスタンドの給油現場での会話。
顧客「ここのGSで使うクレジットカードに傷が入ってデータが読めないよう
だ。どうしたらいいの?」
店員「スタンドではカードを発行していないので発行会社に言ってください。」
顧客「お前のところで、何度もカード作成のキャンペーンを行って、これ以上
カードなんか作りたくなかったのに、しつこく営業するから作ったのに。」
店員「そう言われましても・・・。」
スタンドでカードがすぐに再発行できないことなんて、誰にでも理解されていることなのだが、作らされたと思っている顧客に、即刻の否定語を浴びせたのでは顧客は面白くない。「折角のご利用でしたのに、データが読めないようですみません、お手数をかけますが、カード会社での再発行のお手間を再度いただけますでしょうか・・」いったんクレームとして受け入れ、顧客の協力をもらえる誘導の言葉を発することが出来たら、月に数回の給油をしてくれる顧客を失うことはなかったでしょうに。こうした経緯を後で聞かされたGSの経営者は「一言の重み」を感じアルバイトを含む店員さんに再教育されたそうだ。
総合病院に勤務する医師と患者の会話。
医師「検査値があまり改善されていないね、早く別の薬物療法にしましょうか。」
患者「俺はこの病院に10年通っている、先生はあなたで4人目だ、どこまで
私の過去の治療歴を先生は知っているのか、簡単に回答しないでほしい。」
医師「・・・・。」
この話は医師に付き添う看護師が、この会話以来、この患者が通院しなくなった事例として院内改善委員会で発表されたものだ。
患者も素人とは言え、HPで検索すると専門的な薬の説明や、一般的な治療方法など情報はいくらでも入手できる時代に、患者からすると「今度の新任の担当医師はどこまで自身のことを知ってくれているか」の程度の大きさが、今後の信頼を寄せる高さと比例することを端的に表している事例である。○○分野の権威とか難しい説明はいらないのである。相手を受け入れる、その後、自身の考え、主張を説明すれば患者を失うことはなかった。
新規の顧客を創造することが難しい時代、顧客のリピート滞在期間が短くなっている時代に突入している。ちょっとした表現の手違いで顧客を簡単に失う時代でもある。
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