日本取締役協会が成果報告として「ベストガバナンス報告書」を公開した。ソニー元会長の出井さんが委員長となって、過去、2年間の会合、研究を経て報告書に纏めたものだ。ガバナンスというと大企業の世界の話と連想されがちであるが、中小企業の世界も最近では「食品偽装で自己破産」や「粉飾決算で金融機関から詐欺で訴え」などの事件も発生している。大株主として会社を所有し、且つ、自らリスクを取って経営者として采配を振るっている創業型企業では、ガバナンスの機能が働かないケースが大半で、必然とも考えられていなことが多いように思える。
報告書では企業発展段階に応じたガバナンスのあり方として、企業の発展段階を4つに分け、それぞれに求められるガバナンスの要件を提言している。
・第一段階 :創業者一族が経営も所有も掌握
・第二段階A:創業者が株式を保有、経営者は創業家の影響を強く受けている
段階から徐々に関係が希薄化
・第二段階B:創業者が経営続行、株式公開などで所有とは分離
・第三段階 :経営者は専門的経営者、株主は外部投資家
第一段階企業では創業経営者の独断専行をいかに防ぐかが大きな課題とし、こうした創業経営者に「いつ、どのようにして」ガバナンスの重要性を認識してもらうか、「気づきを与えるシステム」が必要と説く。
第二段階Aの課題は「独走態勢からチームワーク体制」への転換を説き、
第二段階Bの課題は「共通の価値観の醸成と後継者選びの客観性」が大事とし、
第三段階企業では「閉鎖空間化を避ける弛まぬ努力」の必要性を説いている。
税理士事務所の大半の顧問先企業は第一段階企業及び第二段階Aに属する企業である。結局のところ、創業経営者の「ガバナンスなど議論されること自体が不愉快」という段階をいかに超えるかが最大の課題となる。
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