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WEEKLY REPORT 名南経営センターグループ代表 佐藤  澄男
家族信託の研究

2007/09/10


家族間とはいえ、財産を贈与すれば贈与税がかかってしまいますが、信託契約を用いることで、財産の保全やその財産から生じる収益を確保することができます。



 財産家であるAさんから「相続税対策もあって、家督を継ぐ予定の長男に不動産を中心として数年来、生前贈与をしてきた。しかし、どうも長男を取り囲む連中が気に入らない。うまく言い寄られて不動産を処分してしまうかもしれないので、再度、贈与で自分の名義に戻したいと思っている、長男も心配なら名義を戻しても良いよとは言ってるので」といった相談を受けた。当然、実行すれば多額の贈与税を用意しないといけない。そこで、長男を委託者とし過去贈与を受けた不動産を信託財産として信託契約の設定を提案した。信託の期間は30年とし、不動産の運用収益である受益権は長男が受け、信託期間終了時には不動産は長男の名義に戻す。

 少なくともこれからの30年間は不動産の所有権は信託会社に移行するので、勝手に不動産の処分をされることはないし、期間満了を待たなくとも、長男の取り巻きがいなくなり、長男の行動にAさんが信頼を寄せる時期に信託契約を終了させる条項を入れておくことも可能だ。当然、信託会社に報酬は発生するが、支払う予定であった贈与税コストやAさんの相続財産増加を考えれば小さなコストである。

 別のB社長との会話の中でも「自分の財産は最終的には子供たちに相続してもらえば良いが、先に自分が亡くなれば、妻のその後の生活だけは苦労させたくない。妻も夫の財産の所有には関心なく、それなりの生活が送れるだけの収益分配があれば良い・・と言っている。」
  社長の財産の大半は賃貸不動産と自社株式であるので、社長を委託者、不動産賃料や自社株式を信託財産として信託契約の設定を行い、賃料や配当金である信託受益権は社長の存命中は社長が、社長の死後は妻が受益権を受け継ぎ、妻の死後は子供たちに不動産、自社株式の所有権が移転する契約を薦めた。

 遺言等で財産の所有権の分配を指示しておくことも有効であるが、財産から生じる収益の帰属に優先順位をつけるとするなら、こうした信託契約が社長の望む形になるであろう。



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