医療法人も経営難や後継者不在などでM&Aの対象になってきている。東証二部に上場しているジェイ・ブリッジという企業が、昨年、福岡にある2つの医療法人を傘下に納め、ジェイ・ブリッジの19年3月期決算において、これら2つの医療法人の決算を連結して取り込んだ。同社の有価証券報告書を見ると同社が63.6%出資するSRIメディカル1号ファンドがあり、更にファンドが100%出資するSRIメディカル投資事業組合を通じて2つの医療法人に出資した形になっている。
医療法人への出資割合はA医療法人には99.7%、B医療法人法人には55.8%となり、今年6月に両社を合併させA法人を存続法人としている。
同社のファンドへの出資額が同社の資本金の10%を超える額となり特定子会社に該当すること、間接保有ではあるが医療法人への出資が過半であること、金額的にも重要性が高いことを理由に「医療・ヘルスケア周辺事業」という位置づけで同社の決算に反映させたと説明している。一方、医療法人の議決権は保有せず、あくまで営業投資の位置づけともしている。
議決権がないので営利法人の支配下におくことはできず、配当という形でのリターンも当然無い訳であるが、同社のように営業投資目的であれば、結果的に再度の転売によってファンドに売却益をもたらすことも想定でき、ファンドによる事実上の病院経営が可能になったとも言える。
ある県の医務課に問い合わせても、医療法人から提出されるのは役員名簿と社員名簿であって、出資者名簿は提出されないので、出資者が営利法人であるのかどうかは把握しきれないでいることも事実で、水面下でのこうした営利法人との繋がりは多少なりとも進行しているのかもしれない。
医療法人の事業承継対策としても今回のスキームは検討してみる価値はありそうだ。
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