中小企業事業承継ガイドラインによると、年間で事業を廃業する事業所が約29万近くあり、その内、後継者不在が原因で廃業する事業所が約7万に達し、結果、雇用が6〜7万人減少する事態となっていると警告する。政府も、中小事業所の後継者問題を重要課題として捉え、後継者が存在する事業所には「承継コスト」減少の為の方策を税制面等からの支援を検討しているが、後継者不在の事業所に対する「承継者確保」については実効ある対策が見えていない。中小企業専門のM&A仲介業者が上場するなど「第三者承継」としての事業譲渡も、解決策の一つではあるが、実際に個人で行っている小規模な事業や、譲受企業から見て「買収」に踏み切る魅力ある中小企業となると少数派が現実である。
日本商工会議所が音頭を取って行っている「後継者人材マッチング」というサイトがある。https://kokei.shokokai.or.jp/personal/plogin.asp
後継者を募集している企業と後継者としてスカウトされたい個人をサイト内に登録させ、地域、業種等で双方のニーズが近ければ「お見合い」をしてもらうサービスである。登録されている企業数は現時点で163件、業種でみると卸・小売が67件、サービスが44件、製造が38件、飲食が26件、建設12件(一部重複有)となっている。全国での件数なので、まだまだ認知が進んでいないと思われるが、登録している事業所の多くは商店街や、地方の小規模事業所と思われる。
承継方法も「譲渡」「賃貸」「共同経営」「役員として入社」「まず従業員として現場に慣れてから」と様々で、登録企業名は伏せてあるが、事業を営んでみたいと考えている人にはある程度のイメージはつくようになっている。
現在、長野モデルと政府筋から言われている長野県の事業承継センターでは、年間で約40件ほどの後継者発掘の手助けをしているそうだ。このサイトの登録数も長野県で17件と全国の約10%を占めている。確かに従来型産業であっても、新規に投資を行って商売を始めるよりも、既存の設備、顧客を引き継いで事業を営むのもリスクを軽減した形で行えるし、何より、小規模事業所で勤務する雇用の場を確保できることは地方活性化の具体的手段にも繋がる。
中小事業所と接点の多い会計事務所もこうした活動の普及の一役を担えるのでないか。
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