ベンチャー企業で、ミュージックセキュリティーズという会社がある。元々は音楽ファンドで一名を馳せた会社だ。
無名の歌手が、自身のCDを製作・販売する資金を個人投資家から匿名組合の出資金方式で募り、一定期間中に決算を行い分配金を投資家に配分する方式で、一口1万円から参加できる。過去の清算した分配金を見ると、年利で30%を超える成果を挙げたものもあるが、当然マイナスリターン(元本の毀損)のものもある。
当社は第二種金融商品取引業の登録をしていて、ファンドの組成・仲介を行っている。このスキームが東日本大震災で被害を受けた中小企業の復興支援に役立っている。主に食品製造関係の会社が多いが、ファンドで集まった資金で工場再開を果たし、一定の無分配期間を設け、その後、売上高の○%をファンド終結期間まで分配金として支払う約束でスタートする。復興支援の意味合いが大きいので、投資家は1口1万円の資金を払い込み5千円が応援金、5千円がファンドへの出資金として被災企業へ送られる。
仮に、製造設備等の資金が4千万円必要で年間売上1億5千万円が見込める被災企業が、ファンドの組成を実行し3年間は無分配、7年間は売上高の2%を分配するとして、10年の運用期間の設定を行ったとすると、被災企業側には応援金2千万円、出資金2千万円の計4千万円の資金が払い込まれ、その後3年間は出資金に対する分配金は0、7年間の分配金総額は2100万円(15000万円×2%×7年)となり、出資者は当初の出資元本の回収が可能になる。
投資家は少額の投資で被災企業を「応援金」として支援し、「出資金」でその後の事業の復興状況に関わり続けることが可能になる意味合いでは、このベンチャー企業の取り組みは価値あるものになると思う。 |