事業計画は従業員とのコミュニケーションなくしてはできません。
決してコンサルタントが勝手に作るようなシロモノではないのです。
「事業計画を提出して下さい」。取引銀行から言われたものの、そんなものが作れる社員はいないし、とりあえず顧問税理士に相談してみようか。それにしても、今年の見通しも難しいのに「中期5ヵ年計画」など作っても意味がないじゃないかと溜め息をついておられる方。他人任せ・その場限りの計画書作成だけは絶対に避けて下さい。
金融機関は「合理的な改善計画がある」との理由づけによって業績不良先への編入を避けようとしている、と判断されるからです。金融機関側は真剣です。作られた計画数字の根拠について細かく説明を求めてくることでしょう。また、実績が計画を大きく下回った場合には、今度こそ追加融資が受けられなくなるかもしれません。
たしかに業種によっては一見、売上の見通しさえ立てづらいと見受けられるのも事実です。しかし日頃から営業部門と緊密に連絡をとっていれば、それほど難しい作業ではありません。「緊密な連絡」とは従業員の行動管理そのものに他ならないからです。金融機関から言われなくても、その程度のことはできていなければなりません。
一方、コスト削減で気をつけなければならないのはどういった事柄でしょうか。実はここでも同じことが言えるのです。計画は実行されなければ意味がありません。漠然とした「人員削減」などありえないのです。例えば、人を3名減らす計画ならば、やめて頂く社員の顔が今浮かんでいなければなりません。営業部門の人が退社すれば、営業収入が減ってしまうことも念頭においておかなければならないでしょう。実際にどれほど減るのかは顧問税理士にもコンサルタントにも分からないのです。
また管理部門が1名減っただけで、在庫管理がまったく出来なくなったという笑えない話も現実に起こっています。従業員一人ひとりが何を担い、どう行動しているのかが分かっていなければ人員削減など出来る筈がないのです。ですから、金融機関からの要請を理由に、実体掌握しないままで人員削減を強行することは極めて危険と言わなければなりません。
金融機関からの要請がなければ事業計画の作成など着手すらしなかったのかも知れません。しかし、実現性があってモニタリング可能な計画がなければ、極端な話、現場の頑張りすら気づかずに日々が過ぎていくことにもなりかねないのです。むしろ事業計画の作成作業は従業員とのコミュニケーション作りの一つだとお考え頂いたほうが良いのかも知れません。
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