好景気が伝えられる一方で、中小零細企業のなかには借入過多により、金利負担、返済負担に喘いでいる例がまだまだ散見されます。このような企業には必ずと言って良いほど信用保証協会の保証付融資が絡んでいます。金融機関がリスクを取りたがらないためなのでしょう。
一方で、信用保証制度そのものの見直しが進んでいます。マスコミでは「不良債権を巡る金融機関との痛みわけ」程度にしか報道されていません。しかし、見直しの方向如何によっては、協会保証付融資に依存している企業にとって、その存続が危ぶまれる事態にもなりかねません。
わが国では、金融機関が保証付貸出を融資する際、原則として保証協会がその融資額全額を保証してきました。しかし、代位弁済額の肥大化により、信用保証制度そのものの維持が難しくなっています。昨年実施された保証料の見直しは、その対応策の一つでしたが所詮対症療法に過ぎません。そこで従来から話があがっていた「金融機関とのリスク分担」がいよいよ現実味を帯びてきたわけです。具体的には融資額の2割について金融機関がリスクを分担することになりそうです。金融機関にとってはリスク拡大以上に大きな問題が潜んでいます。制度見直しの方向如何では「回収責任」を負わされる結果になるからです。
金融機関にとって、信用保証協会の保証を得ることはリスクの圧縮はもちろんですが、それ以上に不良債権の管理責任から開放されるといったメリットがあります。貸出金の返済が一定期間延滞した先などは、保証協会から代位弁済を受ければ管理は終了です。担保処分だとか保証人への請求など煩わしい業務から開放されるのです。しかし、2割の債権が残るということは回収責任を負うことを意味します。管理・回収面だけを捉えますと、協会保証のない融資と変わらないわけです。当然ガードは固くなります。取引先企業は、従来のように折り返し資金の融資がスムーズに受けられるとは限りません。従前からある保証付融資は、全額協会保証が付いているわけですから、折り返し資金を融資して2割のリスクと回収責任を背負うよりは、むしろ延滞してもらって代位弁済を受けるべきとの判断もないとは言い切れません。
「返済できなければ協会から代位弁済を受けますので、あとのことについては協会の担当者と話し合ってください」。しかし、代位弁済となれば協会へは年14.0%(借入時期によっては14.6%)の遅延損害金を支払わなければなりません。また、他の金融機関での融資も事実上受けられなくなります。結局、資産売却による返済か法的破綻の道を選ばなければならないのです。
信用保証協会保証付であっても、借入が固定化しているのであれば、今のうちに返済計画を練っておかれるべきでしょう。
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