あるメガバンクの営業マン。デリバティブ(金融派生商品)を主体に商品知識は極めて豊富。されど企業の実態把握は不得手。この結果、取引先企業は自社の体力をはるかに超えるリスクを背負わされるハメに・・・。笑いごとでは済まされない事態が実際にあちらこちらで起こっています。
金融機関はメガバンクを主体に、取扱商品がどんどん複雑化するなかで、担当者の商品知識習得が教育の重点課題となりました。一方で、企業の実態把握について、十分な時間を確保することが出来ない状況が続いています。
以前は「職人」と呼ばれる融資のベテランも存在しましたが、後継者の育成が退職のペースに間に合っていないのが実情のようです。そもそも企業の実態把握に必要な分析力など一朝一夕に身につくものではありません。必然的に支店は顧客折衝窓口として貸出残高の積み上げなど商売に重点を置き、企業の実態把握など審査関連の仕事は本部に集中するといった構造が出来上がりました。支店はプロフィットセンター化してしまったのです。
一方審査を担う本部サイドも所詮書類を見ているだけですから、実態把握など十分できる筈もなく、取引先企業に関する情報も蓄積されません。こうしたなかで金融機関の中で企業をよく知り、企業特性に合った商品を提供していこう、いった意識は希薄化してきています。この結果、冒頭にご紹介しましたようなミスマッチが見られるようになりました。売り込もうとする金融商品が対象企業の特性に合っているとは限りません。
もし、デリバティブを導入されているのでしたら、潜在リスクがどれくらいあるのかについて今一度ご確認下さい。また、新たな提案を受けられた場合は、本当に導入して良いかについて顧問税理士などの「審査」が必要になるかも知れません。 |