コンセントにさすだけでネットワーク通信が可能となる「PLC」ですが、その実態はどうなのか調べてみました。
■ 「 PLC 」とは
「 PLC 」(Power Line Communication :電力線通信)とは、電力を供給する電力線を伝送路としてネットワーク通信を可能とする技術のことで、LANケーブルの代わりに電力線を利用する仕組みです。簡単に言えば、建物の中にある電力線を利用することで、コンセントを通じたインターネットを楽しむことができる無線LANのようなものです。
■ 宅内(構内・オフィス内)の通信技術としてのPLC
ほとんどの建物に敷設されている電力線を利用するため、コンセントさえあればネットワークを構築でき、LANケーブルなどを各部屋に張り巡らせたり、無線LAN設備を導入したりすることが不要になります。既存の設備を使ってどこからでも手軽にネットワークに接続することを可能とします。
法人向けPLCの主な用途としては、これまでネットワーク接続を考慮していなかった学校などでも新規にLANを構築することが挙げられます。一般企業では、受付や会議室などにはLAN端子が届いていない場合でも、有線や無線のLANと併用しながらオフィス内の一部でPLCを導入するといった使い方が考えられます。
■ PLCを利用するには
「PLCアダプター」という小型の機器が必要となり、親機をモデムとコンセント、子機をコンセントに差しネットワーク接続が可能になります。PLCアダプターとパソコンなどの接続には従来のLANケーブルを使用します。
■ PLCアダプターはノイズの影響を受けやすい
電力線にはそもそも常に電力が流れ続けているので、ノイズが電力線に混入し電灯や電気製品、例えばヘアードライヤー、掃除機、充電器(携帯電話の充電器を含む)等の使い方次第で実効速度が低下すると実験結果から検証されております。また、電源スイッチが入っていなくても、電源プラグをコンセントに挿しているだけで影響を与えることもあります。
■ PLCと無線LANの比較は?
PLCは利用する環境にもよりますが10Mbps〜30Mbps強という結果が出ており54Mbps 無線LANとほぼ同等と考えられます。環境によって速度に違いは出ますが壁などの障害がなく 54Mbpsよりも高速な無線LANを使う場合には、無線LANの方が速いことが考えられます。
■ セキュリティについて
企業がオフィスで利用する場合、無線通信はネットワークセキュリティに対する不安があるため他の機器と組み合わせた上で複雑な設定を行うことが必要となります。一方、PLCアダプターは設定を済ませたものであり、パソコンなどを使わず、強固なネットワークセキュリティを実現しています。しかし、従業員がPLCアダプタを管理者等に無断で設置し、LANへの接続を制限している場所(人目に付かない場所など)でLANへアクセスすることも考えられますので注意が必要です。
■ PLCのメリットとデメリットを簡単にまとめました
【メリット】
・配線工事の必要がなく、電源コンセントのある場所にならどこでも接続できる
・新たな配線を敷設せずに、宅内や棟内のネットワークを構築することができる
・セキュリティレベルの高い「AES128bit 暗号技術」に対応しており、
強固なセキュリティも確保できる
【デメリット】
・接続するコンセント、配線の仕方により通信速度にバラツキがある。
・タコ足配線の状態だと、伝送効率が悪くなってしまう。
・高周波により無線マウス、ラジオ、アマチュア無線といった無線機器や、
医療機器などの動作に影響を及ぼす場合がある
このようにPLCは今までLANを構築することが難しかった場所で、無線LANよりも安全・簡単にLANを構築できるメリットがありますが、既存の機器やインフラなどと悪影響を及ぼしあうことや、通信速度のパフォーマンスからは、まだまだ問題もありそうです。利用を検討されている場合は、現状の環境を検証しておくことをお勧めします。
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