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経営ワンポイント情報
相続人に対する譲渡制限株式の売渡請求の制度
2007/03/09

 

自社株式が第三者に渡ってしまって回収に困難をきたすということがあります。この回避策として「相続人に対する譲渡制限株式の売渡請求の制度」があります。



■制度の趣旨

 株主に相続が生じた場合、株式は当然に相続人へと移転してしまいます(譲渡制限条項が付けられている株式でも同様で、歯止めがききません。)。このように株式は、相続によって徐々に分散していくことが想定しえます。

 こうした事態の打開策の一つとして、会社法では新しく「相続人に対する譲渡制限株式の売渡請求の制度」が創設されました。この制度を導入することにより、株主に相続が生じ、株式が相続人の手に渡っても、当該相続人の同意なく、会社の一方的な請求で買取回収することが可能となるため、相続による株式の分散を食い止める有効な手段の一つとなります。

 

■制度導入の方法

  この制度の対象となるのは、相続による株式分散の策を講じる必要性の高い、「譲渡制限がついた株式」のみです。

 導入には、定款に“相続売渡請求規定(記載例:「当会社は、相続その他の一般承継により本会社の株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売渡すことを請求することができる。」)”を追加する定款変更が必要であり、この定款変更は株主総会の特別決議をもって行います。 

 

■売渡請求の方法

 会社が、相続人からの買取を希望する場合は、株主総会の特別決議で承認を得た後、「相続があったことを知った日から1年以内」に売渡しの請求を行います。尚、この買取には財源規制があり、原則として分配可能額範囲内で行う必要があります。

 

■リスク・注意点

1)オーナー支配権剥奪のリスク
  この制度は当然にオーナー保有の株式もその対象となり、また売渡請求する際の株主総会決議においては、当該相続人が議決権を行使できないことから、オーナー支配権を剥奪される危険性があります。

 

2)高額な買取価格となる可能性
  買取価格は、原則、双方の合意によって決めますが、必要に応じて裁判所を介入させることができます。そして、裁判所は価格決定にあたり、「当該会社の資産状態その他一切の事情」を考慮するよう定められていることから、場合によっては、「純資産」を考慮した結果、買取価格が思わぬ高額となる可能性があります。

 

※実際のご採用にあたっては、上記のリスク及びその回避方法も含め、十分な検討が必要です。当社へご相談下さい。



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