食品安全マネジメントシステムISO22000は、2005年9月に発行されてから、現在までで、50社ほどの企業が認証を取得しています。今年になって審査機関の認定基準であるISO/TS22003がようやく発行され、財団法人日本適合性認定協会(JAB)による審査機関認定申請受付が2007年5月22日より始まったことにより、曖昧であった認証登録スキームも整備され、今後ますます認証取得が広がることが予想されます。
<なくならない食品関連事故>
2007年初頭に起こった不二家事件をはじめ、ノロウイルスの大流行、学生食堂での病原性大腸菌O157食中毒発生など、食品に関する問題は後を絶ちません。食品業界全体の努力によって、従来よりも衛生管理レベルは上がってきているにもかかわらず、なぜこれほど頻発してしまうのでしょうか。原因として、新しく強力な危害が増えていること、また食品事故発生から保健所等への報告が確実になされるようになってきたこと、などが挙げられます。
<ISO22000への取組みポイント>
このような事故を起こさず、社会の信頼を勝ち得ていくためには、システム化した食品安全への取り組みが必須ですが、その枠組みづくりには、現在のところやはりISO22000がふさわしいと考えます。
ISO22000ではいわゆるPDCAサイクルを利用した全社マネジメントと、食品安全確保の具体的仕組みづくりが両方とも求められており、実際の対応にはそれなりの準備が必要です。以下、取り組む際のポイントをいくつか挙げてみます。
・構築から認証までの所要期間とスタッフ選定
概ね、一年くらい必要です。推進スタッフは兼任で差し支えありませんが、なるべく工場長など決裁権限のある責任者が参画するほうが、スムーズに進めることができるでしょう。なぜなら、ISO22000に基づく衛生管理体制を構築する上で、多少の設備投資が必要になるからです。
・衛生管理のレベル
ISO22000ではHACCPシステム(食品製造工程で重点管理するシステム)と、それを支える前提条件プログラム(いわゆる一般的な衛生管理の方法)の実施が要求されています。そのレベルについては一定の基準はなく、自らが目標とするレベルを定めることになります。HACCP単体の認証にありがちだったハード重視の考え方はほぼないといって良いため、すべての設備を「HACCP対応」にする必要はありません。
・品質マネジメントシステムISO9001との兼ね合い
ISO22000は、ISO9001との共通性がとても高い規格です。このためすでにISO9001を導入されている企業では、現存の文書を活かし、比較的効率的な認証取得が見込めます。
(名南通信2007年7月号より)
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