先日、あるお客様から次のような質問がありました。
古くから東京都心部のビルに入居しているが、先般、ビル所有者関係者より賃料の値上げ要請があった。確かに地価が高騰しており、相当の値上げを要請されているが、受けなくてはならないのか?また、もし受けられないなら、半分程度の値上げで「定期借家契約」で賃貸借契約を結びなおす形での更新も提案されているが、どちらが望ましいのか?
というものでした。当方からは次のように回答しました。
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借家権といっても、現在、旧借家法に基づいた建物賃借権(旧借家権)と1999年に制定された借地借家法に基づいた定期建物賃貸借権(新借家権)の二種類があります。
大きな違いは、定期かそうでないかです
旧借家権は、契約で決めた期限を過ぎても、更新する権利が借主にあるという借主側を保護する側面が強く、不動産の値上がりに比較して賃料が低く抑えられることが多いため、経済合理性に反する面があります。
それに対し、新借家権は、契約期限が来れば、契約は終了しますので、貸主は経済合理性に基づいて新規賃料設定等を行うことができるわけです。
新借家権は、現在マンスリーマンションなどの契約で利用されています。
お客様の場合は、旧借家権ですので、今回の更新においてもその権利は強く守られますので、貸主の要請をそのまま聞く必要はありませんし、新借家権に変えることは、その旧借家権の有利性を放棄することも意味していますので、新借家権契約の内容、期間、賃料等がお客様にとって相当有利である場合を除いて、変更することはお勧めいたしません。
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確かに、東京都心部を始めとする三大都市圏中心部は、地価上昇が顕著であり、それに対する収益率(賃料比率)は収益(賃料)の遅効性から、下がっているのが現状です。
ファンド等の投資家からすれば、新規賃料(新しく入居する場合の賃料のことですが、必ずしも新借家権とは限りません)は値上がり傾向にあるため、継続賃料(旧借家権がほとんどです)が低くても、入居者の入れ替え時の新規賃料設定時に家賃改定を行えば、追々収益率も上がってくると読んでいるようです。
貸主の都合にもよりますが、新規に入居をする場合、どちらの借家権なのかをまず確認することが肝要です。また、賃料交渉があった場合も同様の確認をした上で交渉に臨まれることをお勧めいたします。
(名南通信2007年7月号より)
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