近年、様々な経営指標による企業価値の測定が盛んになりつつあります。減損会計導入という会計ルールの大きな変更が与える影響は大きく、CRE(Corporate RealEstate=企業不動産)戦略を推し進めていく必要性が出てきました。
殆どの企業にとって大きな割合を占めるであろう固定資産は恐らく不動産でしょう。CRE戦略とは、企業活動に関わる不動産を全体最適という観点から見直し、潜在している価値あるいはリスクを顕在化させ、戦略的に再構築し企業価値の増大に寄与させる、という手法・概念です。モノ言う株主が受け入れられつつある現代では、CRE戦略の巧拙によっては、ROA(資本効率)の面から判断する株主から厳しい指摘を受けることになるかもしれません。
実際の企業経営では、購入や売却といった不動産の保有に関しては財務セクションで、毎月の家賃・賃料、各種公租公課や修繕費用は総務セクションで、と複数部門で扱っていることが多いと思われます。また、企業規模によっては、不動産は社長(創業者)だけが把握しており、扱いの決定は社長のさじ加減一つ、というケースもあるでしょう。
CRE戦略では、保有と利用の検討を一つの部門が扱い、企業不動産全体を俯瞰して未利用・低利用状態から脱却し、どれだけ効率化を図るかを考えます。さらには、その不動産を保有し続けるべきか否か、保有する企業不動産のポートフォリオ(資産構成)の組み替えまで検討することもあるでしょう。それには長期保有コストを把握するため、ファシリティマネジメント(施設・設備の維持管理の検討)を学ぶ必要もあります。
不動産価格の右肩上がり神話が生きていた頃とは異なり、『所有から利用へ』という考え方が定着し、利用することによりどれだけ収益を生み出して企業価値の向上に寄与するか、を考えることが大切になってきました。その考え方の一つがCRE戦略です。
しかし、CRE戦略、といっても難しく考えすぎる必要はありません。いくつかあるCRE戦略の手順の一つは、
1.企業が保有する不動産を一覧で棚卸しする
2.現状分析・評価をする
3.対処方針・戦略の企画立案をする
です。これは通常の企業活動と似ていませんか?
不動産部では企業のCRE戦略のアドバイザーとしてお手伝いさせていただいております。お気軽にご相談ください。
(名南通信2007年8月号より)
|