M&Aアドバイザーの重要な業務の一つに「ネゴシエーション(交渉)業務」があります。アドバイザーは顧客の代理人として相手企業と提携条件を交渉し、顧客にとってより良い条件を勝ち取ることを求められます。例えば金額面においては、譲渡企業のアドバイザーはできるだけ高い金額で事業を譲渡できるように相手企業と交渉しなければなりません。今回は、基本的な交渉テクニックをいくつかご紹介します。もちろんM&A以外の条件交渉でも使えるテクニックですので参考にしてみて下さい。
1.初頭要求は大きく
初頭要求とは交渉相手に最初に提示する条件であり、交渉結果を大きく左右します。例えばある商品を10万円で売りたい時に、最初から10万円を交渉相手に提示すれば、値切られて結果的に10万円未満で売ることになる可能性が高くなります。そのため「初頭要求は大きく」というのが鉄則です。しかしながら、常識の範囲を超えるような条件を提示してしまうと、即交渉が決裂してしまうリスクがあるので注意が必要です。どこまでが常識の範囲内かという問題がありますが、M&Aの金額交渉ではアドバイザーによる企業評価が常識を裏付ける武器となり、相手に対して説得力のある交渉をすることが可能になります。
2.相手のデッドラインを知る
デッドラインとは交渉における時間的制約のことです。相手の交渉期限を知ることができれば交渉を優位に進めることができます。松坂大輔の代理人としてレッドソックスと条件交渉したスコット・ボラス氏は、レッドソックスの交渉期限ギリギリまで首を縦に振らなかったことによって、最終的に年俸総額約60億円(6年契約)という破格の条件を勝ち取りました。
3.譲歩をうまく使う
一方的にこちらの希望を主張するだけでは、交渉は決裂してしまう可能性が高くなります。交渉をまとめるためには譲歩することも必要です。重要なことは、あらかじめ絶対に譲れない点と譲歩可能な点を明確に決めておくことです。そしてこちらが譲歩する時は、相手にも譲歩を求めることが鉄則です。
(名南通信2007年8月号より)
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