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経営ワンポイント情報
伊勢丹と三越の統合にみる中小企業M&Aとの共通項
2007/10/01

 

厳しい経営環境が後押ししたこと、互いの弱みを補完しあえる関係にあったこと、企業文化に違いがあることなどの共通項が見られます。



 伊勢丹と三越の統合が注目を集めています。両社は統合により百貨店業界において最大規模のグループとなり、業界は両社の他、J・フロントリテイリング、ミレニアムリテイリング、高島屋の4大グループに集約されることになります。両社の統合は、弊社が支援している中小企業M&Aとは規模では比較になりませんが、中小企業M&Aと共通する特徴もあります。


1)厳しい経営環境が統合を後押し

 両社が経営統合に踏み切った背景には業界の厳しい経営環境があると指摘されています。百貨店の既存店売上高は他業態との競争激化等によって10年連続で減少しています。今後も市場の縮小が予測される中で、両社は業界で勝ち残るために統合を決断しました。百貨店業界に限らず、今後日本では人口の減少や外国企業との競争激化等によって、多くの業界において経営環境はますます厳しくなっていくことが予測されます。勝ち残りを目指すM&Aは中小企業においても増えていくでしょう。


2)相互補完性の大きさが重要

 両社の統合は「相互補完性が大きい」ことを理由にアナリストから高く評価されています。相互補完性とは「互いに自社に不足している経営資源を豊富に有している他企業と提携することによって、それぞれの弱みを補完し合える可能性」です。伊勢丹は商品力の高さを武器に業界トップクラスの収益力を誇る一方で、本店への依存度が高すぎるという課題があります。一方の三越は伊勢丹と比べて、一等地の店舗を数多く有している一方で、収益力が低いという課題があります。統合によって両社はそれぞれの弱みを補完することができます。M&Aによって自社の弱みを補完することは中小企業M&Aにおいても可能です。


3)カルチャーの違い

 両社の統合を不安視する理由として、「カルチャーの違い」が指摘されています。両社に限らず企業には千差万別の歴史と風土があり、カルチャーが異なるのは当然です。これについては焦らず、時間をかけて少しずつ融和を図っていくしかないでしょう。

(名南通信2007年9月号より)



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