先月初めに、2007年分の路線価が公表されました。その結果を簡単に総括すると、東京から始まった地価上昇の波が、大都市圏から地方の中核都市に広がり、全国平均は2年連続の上昇となりましたが、全体としては地価下落が止まらない地域が多く、ここ数年の傾向である”地価の二極化“がより鮮明になったといえます。
路線価とは、相続税や贈与税の評価基準となる価格であり、実勢価格(時価)ではありません。しかし、路線価は、“かたよらない(特殊事情が取り除かれた)実勢価格”である公示価格(毎年3月下旬公表)の8割程度とされているため、路線価を1.25倍すると公示価格の水準となり、その価格を実勢価格の目安に考える人は少なくありません。
しかし、路線価が上昇している地域では、路線価の1.25倍を目安に考えていると、恐らくいつまで経っても土地は購入できないでしょう。その主な理由として、時間(時点)及び実勢価格と路線価の価格差の問題が挙げられます。時間については、路線価は8月に公表されますが、それは1月1日の価格であり、公表時点の価格ではないという点です。全国トップの47.7%の上昇率を記録した名古屋市西区牛島町(広井町線通り)を例に挙げて考えてみると、2007年の路線価は960千円(坪単価約3174千円)ですが、前年同様の上昇率を想定すると9月1日時点の価格は1265千円(坪単価約4182千円)となり、その差は坪単価で1000千円以上になります。実際には前年並みの上昇率を維持するのは難しいかもしれませんが、大幅に上昇することは間違いないでしょう。一方の実勢価格と路線価の価格差については、先に述べた時間差を修正したとしても、実勢価格は路線価の2〜5倍程度の場合が多いという点です。その原因としては、人気(需要)があるから路線価が上昇しているのであり、そのような地域では、公示価格が想定している“かたよらない価格”では購入できないということです。言い換えれば、ある土地について複数の購入希望者がいた場合、一般的にはより有利な条件(高値)を提示した人が購入することになり、その購入価格は購入者の特殊事情を考慮した価格であるということです。そしてその購入希望者の数に比例して、より特殊事情を考慮した価格となり、それが先に述べた路線価の2〜5倍という幅に繋がります。
つまり、一律に実勢価格と路線価の関係を捉えるのではなく、その地域に合わせて実勢価格と路線価の関係を捉えていく必要があるということです。
(名南通信2007年9月号より)
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