7月16日に発生した新潟県中越沖地震により、自動車部品メーカー「リケン」の柏崎工場が大きな被害を受け、操業停止に陥りました。これにより、日本の自動車メーカーが生産の中断を余儀なくされる事態にまで発展しました。この事態は「リケン・ショック」と呼ばれるほど大きな影響を自動車業界に及ぼしました。たった一社の部品メーカーの生産中止が、全自動車メーカーの操業を左右する事態を招いたのです。このように事業連携が進んだ今、一企業の事業中断が、他の企業の事業の中断へと波及することになります。この意味からも「リケン・ショック」は自動車業界だけの話ではなく、他の産業にとっても、重要な示唆を与えています。
危機が起ったときに企業に問われることは、「その企業が危機に直面したときであっても事業を遂行するという社会的責任が果たせるか」ということです。つまり自然災害や障害が発生した場合、企業には「いかに事業を継続するか」、または「いかに早期に復旧するか」が問われます。そしてその対応次第では、企業業績を左右することにもなりかねません。
そのような自然災害や障害などのリスクに対して素早く効果的に対応し、事業活動の継続性を確保するための運営管理手法である『事業継続マネジメント(BCM)』」という考え方が注目を集めています。
事業継続の計画やマネジメントの方法については、多くの所管省庁からガイドラインが発表されています。その代表例を下に示します。
中小企業庁 中小企業BCP策定運用指針
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/
経済産業省 事業継続ガイドライン
http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/6_bcpguide.pdf
中央防災会議 事業継続ガイドライン
http://www.bousai.go.jp/MinkanToShijyou/guidline01.pdf
また事業継続の標準化については、国内だけではなくISO(国際標準化機構)でも進められています。
度重なる災害、事故、偽装問題に、顧客、消費者、株主など利害関係者は「この企業は大丈夫なのか」という視線を常に投げかけています。以前は、事業継続の活動に取り組むことは、まだ発生もしていない、起るかどうかわからないことに人材や時間、お金を費やすことになるわけですし、さらにその効果性も実際に事故や災害が起きてみないと計ることは困難であるとの理由により、なかなか取り組みが進んでいませんでした。しかし上記のような観点により、これまで以上に事業継続の取り組みが重視されるようになってきています。また一方で、この取り組みは同業と比較して差別化を図ることにも通じます。
ただ事業継続と大仰に構えても取り組みが困難、という企業では、まず災害時の対応方法だけでも決めておくようにしてはいかがでしょうか。災害時の取り決め、予防処置、備蓄物、連絡方法、避難訓練などだけでもルール化し浸透させておくことは災害の被害を最小で収める方法です。いろいろな書物などでも紹介がありますし、また当社でも防災基礎対策と銘打ったセミナーなども実施しています。うまくご利用されると良いと思います。
(名南通信2007年9月号より)
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