今回は、工場や倉庫、事務所など新たな事業用施設として土地や建物を購入した時に、どのような仕訳を起こすのか見ていきたいと思います。
土地や建物を購入する際には、土地・建物自体の金額の他に登記費用や仲介手数料などいくつかの費用が掛かります。それらの費用には取得価額に含めなくてはいけない費用と、含めないことができる費用があります。仲介手数料や固定資産税精算金(詳細は後述)は取得価額に含める必要があります。また、登記に掛かる費用や不動産取得税については含めないことができる費用となります。この場合、仕訳を起こす際には取得価額に含めるものは「土地」や「建物」といった科目に含めますが、登記費用は費用科目として計上することになります。
取得価額に含める費用のうち固定資産税精算金は、税金を負担しているようであり、一見費用計上することができそうに思えますので注意が必要です。固定資産税は、土地や建物をその年の1月1日現在で所有している人が納税義務者となります。年の途中で固定資産を購入した場合、購入した人はその年の1月1日現在ではその不動産を所有していなかったので納税義務者とはなりません。本来は固定資産税を精算する義務はありませんが、不動産購入時の慣例で精算する場合がよくあります。固定資産税精算金は買主が納税義務者とならないため、不動産自体の購入金額として取得価額に含めることとなります。
消費税の取り扱いにも注意が必要です。土地の購入は非課税仕入となりますが、建物の購入は課税仕入となります。固定資産税精算金は土地や建物の課税標準に含めることとなるため土地の場合は非課税仕入、建物の購入は課税仕入となります(消基通10・1・6)。また、仲介手数料は土地・建物共に課税仕入となります。土地の仲介手数料は土地の取得価額に含まれる費用ですが、課税仕入となります(消基通6・1・6)。
設例
以下の土地、建物を購入した際の仕訳を起こしてください。
土地 :10,000,000円
建物 : 8,000,000円
土地に掛かる仲介手数料 : 300,000円
建物に掛かる仲介手数料 : 240,000円
土地に掛かる固定資産税精算金 : 75,000円
建物に掛かる固定資産税精算金 : 65,000円
登記手数料 : 100,000円
登録免許税 : 220,000円
仕訳例
(カッコの中は消費税の課税区分です。)
借方 / 貸方
土地 10,075,000円 預金 19,000,000円
(非課税仕入) (対象外)
土地 300,000円
(課税仕入)
建物 8,305,000円
(課税仕入)
支払手数料 100,000円
(課税仕入)
租税公課 220,000円
(対象外)
(名南通信2007年10月号より)
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