現在、自民党住宅土地調査会が中心となり、「200年住宅」の実現及び普及に向けた活動が行われています。国土交通省の報告によると、日本の滅失住宅の平均築後年数は他国に比べ著しく短く(米55年、英77年、日本30年)、既存住宅ストックの流通量も極めて低い水準に留まっているようです(全住宅取引に占める既存住宅の割合は米77.6%、英88.8%、日本13.1%)。確かに、日本の住宅市場において、新築住宅は非常に好まれる傾向にあり“新築プレミアム”が存在しているといえます。その一方で、築浅であっても既存(中古)住宅となると、その経過年数以上に価値(価格)が減少することが多いです。また、築後20年程度経過した住宅となると、一般的に建物価値はないに等しく、ケースによっては建物価値がマイナス(取壊し費用分)となる場合も散見されます。しかし、これは今に始まったことではありませんが、少子高齢化及び人口減少社会が到来し(福祉負担の増大)、環境(廃棄物)問題、資源エネルギー問題がますます深刻化する中で、これまでの「住宅はつくっては壊す」フロー消費型の社会から、「よいものを長く大切に使う」ストック型社会への転換が求められているのです。
200年住宅とは、超長期にわたって循環利用できる質の高い住宅のことであり、住宅のロングライフ化の象徴として「200年」が使われています。200年住宅のイメージは、スケルトン(構造躯体)については耐久性・耐震性、インフィル(内装・設備)については可変性を確保。また、維持管理が容易であり、です。なお、200年住宅の取得を容易にするため、住宅ローンの償還期間の延長(35年→50年)についても、今後検討され次世代に引き継ぐにふさわしい住宅の質(省エネ・バリアフリー等)を確保した住宅る予定です。
現在のフロー消費型の社会では、住宅ローンが完済した頃には、既に建替え時期を迎えており、人生で二軒の住宅を建てることになります。これでは、成熟社会にふさわしい豊かさを実感することができませんので、個人的には200年住宅に賛成であり、今後の成り行きに注目したいと思います。
(名南通信2008年1月号より)
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