2/25号でM&Aにおける契約の流れについてご説明致しましたが、今回は「秘密保持契約」について詳しくみていきます。
1)契約の目的
M&Aに関する情報が従業員や取引先などに漏洩することによって生じうる経営リスクを回避するための契約です。特に譲渡希望企業の場合、案件が成約する前に「自社がM&Aで譲渡されようとしている」ことを従業員が知ってしまうと、どうなるでしょうか。自社の将来に不安を感じて従業員が転職を考えてしまう可能性は十分あります。そして従業員の離散によって企業価値が大きく毀損された企業は、M&Aの実現可能性が乏しくなってしまうでしょう。一方、買収希望企業の場合は、買収戦略がライバル企業等に漏洩することによって、今後の事業展開に支障を来たす可能性があります。
2)契約のタイミング
M&Aに関する情報を受け渡すタイミングで譲渡希望企業と買収希望企業との間で契約を締結します。ただし、両社の間に仲介者が立つ場合は、両社がそれぞれ仲介者と情報を受け渡すタイミングで仲介者と秘密保持契約を締結します。
3)主な契約内容
1.秘密保持をする情報の定義
秘密保持すべき情報を明確に規定します。基本的にはあらゆる情報が対象となりますが、「公知となっている情報」や「適法かつ正当に第三者から開示された情報」などは対象外となります。
2.交渉が完了した場合の情報返還義務について
成約の可能性がなくなった時点で、授受したすべての資料を相手方に返還することを規定します。
3.損害賠償義務
契約相手が秘密保持契約に違反したことによって被害を被った場合、相手方に対して損害賠償請求を行えるようにしておくことが一般的です。
(名南通信2008年2月号より)
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