3/17号では、秘密保持契約についてご説明致しましたが、今回は「アドバイザリー契約」について詳しくみていきます。
1.契約の目的
M&Aを成功させるためにはアドバイザーが必要不可欠です。理由は二つあります。一つ目は、M&Aには税務、財務、法務、労務等の幅広い知識が必要であり、知識と経験が豊富なアドバイザーの助言が欠かせないことです。二つ目は、M&Aは利害が相反する譲渡企業と譲受企業が直接交渉すると、両者の関係が険悪になってしまうリスクがあります。アドバイザーが仲介役として条件を調整することによって両者の良好な関係を維持できます。アドバイザリー契約は、クライアントが契約書作成をはじめとする実務や条件交渉の代理をアドバイザーに委託する契約です。
2.契約のポイント
(1)専任契約
アドバイザリー契約は原則専任契約です。専任契約とは他のアドバイザーと同様の契約を締結することを禁じている契約です。専任契約とする理由は、案件の信頼性を損なわないようにするためです。専任契約でない場合、複数のアドバイザーから同一の企業に同時に案件が持ち込まれたりする可能性があります。そのような場合、持ち込まれた先は「情報の管理・統制ができていない。他の企業にも持ち込まれているのではないか。」と疑心暗鬼になってしまいます。信頼性が損なわれた案件が成約する可能性は非常に低くなります。
(2)直接交渉の禁止
アドバイザリー契約において、譲渡サイドと譲受サイドがアドバイザー抜きで直接交渉することを禁止します。理由は二つあります。一つ目は、アドバイザーはすべての交渉過程を契約書に反映させることによって、M&A成約後のトラブルを防ぐ役割を担っていることです。二つ目は直接交渉することによって当事者同士の関係が悪化することを防ぐためです。
(3)報酬
アドバイザリー契約時に、着手金をアドバイザーに支払います。金額は業者によって異なります。
(名南通信2008年3月号より)
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