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経営ワンポイント情報
忘れさられた定款から、忘れてはいられない定款へ
2008/10/14

 

以前まで定款は中小企業にとって形式的なものだったかもしれません。しかし、会社法の改正により、会社の実態・計画に沿った設計が可能になっています。



 前回まで数回にわたり、種類株式をはじめとする事業承継のスキームをご紹介してきました。これらは会社法の制定によって注目を浴びている「定款自治」として認められた制度の一部です。そこで、今回は定款の積極的な活用方法をご紹介いたします。

 定款とは、会社の内容や組織、運営に関するルールを記載した書面で、会社の設立の際に不可欠なものです。しかし、商法時代の定款は法律によって中身がガチガチに決められており、さらに大企業を基準とするものであったため、中小企業の経営者にとっては実態を無視して体裁だけを整える一律な定款しか作ることができませんでした。まさに、設立手続が終わったら忘れさられた存在となっていたのです。

 しかし、会社法では法律の規制は最小限にとどめ、定款に定めることによって中小企業の実態に沿った運営が可能になりました。つまり、これからは法律が用意した選択肢を選ぶだけの定款から脱却し、会社の規模や内部事情、今後の成長可能性などに応じた自由な設計を模索する必要性が増しているのです。

 例えば、相続人等に対する売渡請求制度は、会社にとって不都合な者が株式を保有することを回避し、相続等により株式が分散してしまうことを防止する、といった経営戦略又は危機管理としての活用方法が考えられます。定款を手段として、経営者の想い、目的、今後のビジョンを会社内外に向けて情報発信すべき時代がやってきた今日、常に定款を意識した経営が経営者の腕の見せどころとなるのではないでしょうか。

 定款の積極的な活用方法を検討する上で大切なことは、まず、現在の会社がどのような状態であるかを正確に分析し、何が問題点でどのように解決していくか、今後の長い将来に向けて、いずれ後を引き継ぐことになる後継者に対し、どのようなメッセージを残していくのかを考えることにあります。これらは会社の成長段階によって異なり、法律や税金といった部分的な検討だけでは十分とはいえず、総合的な視点と多くの経験のもとでの検討が不可欠です。

 当グループでは定款のコンサルティングも積極的に行っております。どうぞ、一度お気軽にご相談ください。

(名南通信2008年9月号より)



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