他業態や他業種との競合の激化、将来的な人口の減少など、市場を取り巻く環境は厳しいようです。
<パン小売店の現状>
経済産業省の商業統計(19年が現時点の最新データ)によると、各種のパンを製造し、その場所で小売するパン小売業(以下、パン小売店とします)の事業所数(実数)と年間商品販売額の推移は、以下のようになっています。
計 法人 個人 年間商品販売額
平成 9年 12,591 6,146 6,445 5,272億円
平成14年 11,744 5,662 6,082 4,222億円
平成19年 11,334 5,280 6,054 3,972億円
事業所数、年間商品販売額共に減少傾向にあります。事業所では、個人の事業所数は減少が止まったようですが、法人の減少は続いています。年間商品販売額も減少が続いています。
<パンの消費状況>
総務省の家計調査によると、全国1世帯あたり年間のパンへの消費支出額の推移をみると、以下のようになっています。
16年 17年 18年 19年 20年
23,388円 22,243円 22,410円 23,041円 23,957円
全国1世帯あたり年間のパンへの消費支出額は22,000円から23,000円程度で推移しています。ただし18年以降をみると、消費支出額は増加しています。小麦価格の高騰などにより、パンの商品価格は値上げされる傾向にあり、それが消費支出額の増加に影響を与えたものと思われます。
パン普及協議会によれば、19年4月より輸入小麦の売渡価格が相場連動制に移行したことで、以前に比べて国際相場からの影響をより強く受けるようになっているということです。
<パン市場の動向>
以上のように、パン小売店の事業所数や年間商品販売額は減少傾向にあり、世帯における消費支出額も大きな伸びはみられません。
一昨年あたりから、ホームベーカリーを使った家庭でのパン作りがブームとなっているようですが、今後も自宅でパンをつくる世帯が増えることになれば、パン需要のへの影響も大きくなる可能性があります。
また市場では、同業他店だけでなくコンビニエンスストアやスーパー、ファストフード店、ベーカリーレストランなど他業種・他業態店との競合もあり、こうした店舗でのパン購入が進めば、状況はさらに厳しくなるでしょう。さらに、日本の人口は減少に転じており、将来的な需要も大きな期待はできない状況です。
こうした中、地元産の小麦や契約農家から調達した小麦を使うなど、小麦にこだわることで人気となっているパン小売店があります。また、全品均一価格販売で人気となっている店もあります。その他、インターネット上で顧客の好みに応じたパンをつくり、宅配便を使って全国に提供する形で人気を集めている店もあるようです。
他店との差異化、特色を打ち出すことで生き残りを図る動きが活発になっています。
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