------------------------------------------------------------------------
[相談]
使用人兼務役員の使用人分賞与の支給について、当事業年度は営業成績が悪く資金繰りもよくなかったため、他の使用人の賞与の支払い時期には、支給できず、1ヶ月後の支給となってしまいました。他の使用人の賞与の支払い時期には、未払計上をしています。この使用人兼務役員に係る賞与は損金に算入でますか?
また、別のケースとして、人件費削減のため、他の使用人に退職してもらい、他の使用人がいなくなってしまった場合、いつ支給したら損金算入が認められるのでしょうか?
-----------------------------------------------------------------------
[回答]
平成18年度税制改正により、役員給与は一定の支給形態のものを除き、損金不算入とされました。
使用人兼務役員に対する使用人としての職務に対する賞与については、損金経理要件が廃止されましたが、不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入されないこととされています(法34(2))。
この不相当に高額な部分の金額について、他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給した賞与の額は、これに該当することとされています(法令70(3))。
この場合の他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給したものとは、法人が、使用人兼務役員の使用人としての職務に対する賞与を、他の使用人に対する賞与の支給時期に未払金として経理し、他の役員への賞与の支給時期に支払ったような場合が該当することとされています(法基通9-2-26)。
そこで、使用人兼務役員の使用人分賞与の額が損金算入の対象となるためには、他の使用人に対する賞与の支給時期と同一時期であることが必要となりますが、この同一時期とは同一支払日をいうものとされ、使用人兼務役員と他の使用人との支給日が異なれば、その使用人兼務役員に支給した賞与の額は不相当に高額な部分の金額として、損金算入が認められないものといわざるを得ません。
ただ資金繰りの都合上、幹部使用人及び使用人兼務役員の全員について一律にその支給が遅延するような場合は、使用人兼務役員の使用人分賞与については、使用人に対する賞与の支給時期に同時に支給したものと判断されるようです。
したがって、使用人兼務役員の使用人分賞与の支給について、資金繰りがよくないため他の使用人の賞与の支払時期には支給できず未払計上をした本問の場合は、役員に対する事前確定届出給与等の支給時期に合わせて支払ったような場合でなければ、使用人兼務役員に係る賞与は、損金に算入することができるものと考えられます。
また、他の使用人が退職していなくなってしまったような場合には、就業規則等で定められた時期や慣行があればその時期、あるいは前年の使用人に対する賞与の支給時期に支給するなどであれば、他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる支給時期に支給したものには該当しないものとして取り扱って差し支えないものと考えられます。
|