2009年9月4日、株式会社ミクシィが空飛ぶ株式会社の株式7200株を第三者割
当増資によって取得しました。株式会社ミクシィはご存知の通り、ソーシャル・ネットワーキングサービス「mixi」を運営しており、同社のHPによると1700万人以上ものユーザーが利用しているそうです。従業員数は302名(2009年6月時点)、売上高約120億円(2009年3月期)、10年前に設立されIT系のベンチャー企業として注目を集めてきた同社も今や立派な上場企業です。一方の空飛ぶ株式会社はオープンソーシャルアプリケーション開発を専門に行う会社であり、従業員5名のベンチャー企業です。同社は株式会社ミクシィに対して「mixiアプリ」等のソーシャルアプリケーションを提供してきました。
1.譲受企業の経営戦略
株式会社ミクシィは株式取得の狙いについて「空飛ぶ株式会社は、mixiアプリ等のソーシャルアプリケーションの企画開発力に優れており、今回の株式取得は当社の今後の事業成長に寄与するものと考えております」と発表しています。より具体的に説明するならば、2009年8月にサービスを開始した「mixiアプリ」を、空飛ぶ株式会社の企画開発力を生かしてより質の高いサービスとし、mixiユーザーの新規獲得及び既存ユーザーの満足度向上(退会防止)に繋げるのが狙い、ということでしょう。株式会社ミクシィは上場した今も「mixi」とFind Job(転職サイト)」の運営に経営資源を集中させており、今回の株式取得も既存事業の強化を目的としています。規模(売上・利益)のみを追求し、戦略のないM&Aを繰り返した企業が市場から退場していったケースとは異なります。
2.譲渡企業の魅力
たとえ規模は小さくとも譲受企業にとって魅力的な経営資源を持っていれば、上場企業ともM&Aができます。今回の事例では、譲渡企業の「アプリケーションの企画開発力」が譲受企業にとっての魅力的な経営資源でした。今回の資本提携によって空飛ぶ株式会社は株式会社ミクシィとの関係をより強固なものとし、今後も自社のサービス(企画開発力)をmixiを通して、全国のユーザーに提供することが可能になりました。自社の強みを持つことは、大企業と比べて経営資源の乏しい中小企業の差別化を実現し、M&Aにおいても自社の価値を大きく高めてくれます。
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