平成22年度税制改正の要望が内閣府のホームページ上に公表されました。
◎内閣府HP 平成22年度 税制改正要望
http://www.cao.go.jp/zei-cho/youbou/22youbou.html
各省庁が要望を提出しましたので、あとは与党主導での税制改正大綱が公表されるのを待つばかりです。大綱の公表まで残り1ヶ月少々というところでしょうか。
各省庁からさまざまな要望が提出されていますが、そのうち今回ご紹介するのは、厚生労働省が要望した「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設」です。
減収見込み額は360百万円と影響は少ないように思えますが、医療法人の出資に関する新しい課税制度がここで考えられています。
医療法人といえば、平成19年の医療法人制度改革により「持分あり」の医療法人が廃止されています。廃止されるまでの間に設立された「持分あり」の医療法人は、現在経過措置により「持分あり」のまま存続していますが、この経過措置はいつまで続くか不透明です。また、「持分あり」から「持分なし」への移行には、他の出資者との調整のほか、課税の問題が潜んでいます。
「持分あり」の場合は、出資持分に応じた払戻し請求権を有していますので、たとえば「持分あり」から「持分なし」へ移行する場合に、出資持分を超える払戻しがあれば、出資者に対してみなし配当(配当所得として総合課税)が課税されます。もし他の出資者がいる中で自分の出資持分を超える払戻しを放棄したならば、他の出資者に対するみなし贈与課税の問題も考えられるでしょう。
そのため、日本医師会などは「持分あり」から「持分なし」への移行に関して課税しないよう要望書を提出していましたが、今回、厚生労働省は、「持分あり」の医療法人が「持分なし」へ移行する際、次のような課税について、条件付で納税猶予や免除するよう、要望を提出しました。
・出資者の相続人が出資持分を放棄する場合の出資持分に係る相続税
・出資者や相続人が出資持分の放棄をすることによる他の出資者への
みなし贈与税
この条件とは、3年間の間に全ての出資者が出資持分を放棄するなどをして「持分あり」から「持分なし」へ移行することです。
厚生労働省は、この制度創設により、370程度の「持分あり」の医療法人が、「持分なし」へ移行する、と述べています。
そもそもこの制度が創設されるかどうかの問題もありますが、3年間という限定期間で果たしてどれだけの「持分あり」の医療法人が「持分なし」へと移行できるでしょうか。
参考:平成22年度 税制改正要望事項【厚生労働省】
http://www.cao.go.jp/zei-cho/youbou/pdf/22ymhlwk.pdf
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