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事業“昇慶(しょうけい)”塾 株式会社名南経営 取締役 亀井英孝
親子間のトラブルを招く3つの要因
2007/11/05

事業承継において、20年ほど前の親族間の争いと言えば殆どが兄弟間でした。しかし近年、親子間のトラブルが増えています。その要因を模索します。



 そもそも事業承継時のトラブルは何故発生してしまうのでしょうか?また何故近年において親子間のトラブルが増えているのでしょうか?私は、その原因には概ね3つあると考えています。

 第一に、「何を引き継ぐのか?」その“本質”が正しく理解されていないことです。これは誰彼に問題があるから生じている訳ではありません。また努力不足によるものでもありません。過去においては特に意識しなくても良かったものが、明確に認識しなければならない時代が到来したために生じた、といえるものなのです。実は“事業承継”という言葉の中に原因究明の糸口が隠されています。

 第二の原因は、譲る側も継ぐ側もそれぞれの“覚悟”が薄らいでいる、もう少し厳しい表現をさせていただくならば「お互いに肚括りができていない」ことにあります。具体的には、譲る側の「お前の好きな道を歩みなさい」「お前のやりたいようにやりなさい」や、継ぐ側の「どうぜ親父に言われて仕方なくやってるだけだから」など言葉に現れます。

 以前日本実業出版様発行の『経営者会報』に寄せた原稿の中で、現貴乃花親方の角界入門の際の逸話をお伝えしました。以下、抜粋します。私がお伝えしたいことの一端を感じていただければと思います。

 「先日二子山親方が亡くなりました。連日マスメディアで取り上げられておりましたが、その報道内容を見聞きするたびに、親子間で繰り広げられたドラマの壮絶さに筆舌尽くせぬものを感じました。

 貴乃花親方が一五歳の時、父である二子山親方に「十五年間ありがとうございました」と涙を流して言い、親方もその心に打たれ初めて涙を流したといいます。そしてその時、師は愛弟子に「今後俺が死ぬまで涙を見せるな」と言われたそうです。十五歳で親子から師弟へ、凄まじい覚悟だと思いました。父親としての喜びを捨てて師匠の役割に徹した親方と、子供としての甘えを捨て、徹底して弟子になりきり、頑なに約束を守り通した貴乃花に感動を覚えざるを得ませんでした。このお互いの"肚括り"こそが、後継問題の本質であるように思います。」

 そして最後に、玉石混合の情報社会の到来により、両者の好ましい『依存心』が希薄になってきたことが挙げられます。


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