前回解説した『信用』に加え、今ひとつ引き継ぐべきものは『理念』です。
『理念』とは「物事のあるべき状態についての基本的な考え」を意味しますから、『経営理念』は、「経営のあるべき姿に対する基本的な考え、価値観」と表現できます。もう少し平たく言えば経営者の「熱い想い」「信念」であります。一般的には「社是」「社訓」「信条」などで表されます。
この『経営理念』は、経営者の成長と共に昇華・発展するものです。例えば裸一貫で事業をはじめたばかりの創業者であれば、その考えはどうしても自分や家族のことが中心となることでしょう。とすればその理念は「家族の幸せ」ということになります。やがて事業が発展し、社員を雇うようになりますと「社員の幸せ」を祈り、更に経営者としての人格的成長が果たされれば「国や社会の幸せ」を心から願うようになられるのでしょう。これが経営者の成長と共に昇華、発展するという意味です。
そして、その理念は代々引き継がれ、かつ歴代の承継者の方々の、いくたびかの激浪、風雪に耐え抜き、血と汗と涙を伴う百戦錬磨の経験から更に昇華、発展し、磨かれていきます。今現に企業の中に脈々と生き続けている理念は、このようにして創り上げられてきたものなのです。
このような意味を持つ経営理念、現経営者は常にこれを明らかにし続け、解を求め続ける、そして後継者は自らの解を求めると同時に、代々の経営者が出してこられた解を貪欲に、そして素直に学び続けていただくことが何より大切なことであると思います。
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