前回の話に基づけば、代を重ねれば重ねるほど、理念は素晴らしいものであるはずであり、その理念に裏打ちされた経営は、より強固なものになり続けるはずであります。
ところが実際には、老舗企業の中にも倒産の憂き目にあう会社があります。大変残念なことではありますが、紛れもない事実です。何故そんなことが起こってしまうのでしょうか?
要因は様々ですが、その一因として「経営理念の放棄、軽視」が挙げられます。
今から37年前の発刊ですからかなり古いものではありますが、昭和45年に京都府施行百周年記念として発刊された「老舗と家訓」の中で紹介されている、京都で100年以上続いている老舗に共通するいくつかのキーワードをご紹介します。「名跡継承」「祖先崇拝と信仰」「孝道」「養生」「正直」「精勤」「堪忍」「知足」「分限」「倹約」「遵法」「 用心」「陰徳」「和合」などなど。
如何でしょうか、世間を騒がせ警察のお世話になった元経営者の方々からは感じられないものばかりです。一方で、37年経っても決して風化することなく、そればかりかその重要性がより一層増しているように感じるのは、私だけでしょうか?歴史によって実証されたこれらの珠玉の言葉たち、大切にしたいものです。
もし仮に、理念の中にあるこのような代々の経営者達の“知恵”と“教え”を引き継いでいたならば、意に反して会社を失うといった悲しい結末を迎えることなどなかった、そう思えてならないような事例は、実に多いものです。そのことを現経営者も後継者も良く意識して経営にあたらなければなりません。
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