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事業“昇慶(しょうけい)”塾 株式会社名南経営 取締役 亀井英孝
何故子は親に教えを請わなくなってしまったのか
2008/05/12

もしかしたらインターネットが、親子間、経営者後継者間の関係を変えてしまったかもしれません。昔の姿を振り返り、今何が必要なのかを考えます。



 これまで、「親子間のトラブルを招く3つの要因」の内、

   1.引き継ぐものの本質が正しく理解されていないこと
   2.譲る側、継ぐ側両者の“肚括り”ができていないこと

について解説してきました。今回は、

   3.親子間の会話が質的に希薄になってきたこと

について考えてみたいと思います。

 親子の会話の希薄化は、別稿「親子間のトラブルを招く3つの要因」において、「玉石混合の情報社会の到来により、両者の好ましい『依存心』が希薄になってきたこと」と解説しました。もう少し具体的に検証してみましょう。

 昔の後継者達は
  ・まず自分で考えてみる。
  ・それでも分からないから、本を読み漁ったり研修に参加したりして、
   自力で経営の本質とは何かを追求しようとする。
  ・そしてちょっとわかったような気になって、経営の現場で実践してみる
   がなかなか上手く行かない。思ったようにはならない。
  ・そこで若手経営者団体などに参加して他社の情報を得ようとするが、
   それでも自社に当てはまらないことも多く、更に思い悩む。
  ・最後の最後、残された唯一の砦である親に、覚悟を決めて教えを請う。
  ・それを契機として、親子の本質的な会話が始まる。

 個人差はあるものの、概ねそのような経緯を経て、質的に極めて充実した、“核心”的な会話が成立するようになる、かつてはそういう時代であったように思います。換言すれば、『情報』と『実践』と『会話』のバランスが絶妙であったと思うのです。

 ところがネット社会の到来によって、『情報』ばかりが過多となり、『実践』が伴わず、結果として本質的“悩み”が生じず、『会話』の必要性そのものが低下してしまっている、といった状態に陥ってしまっているのではないでしょうか。

 しかしこの3つの観点は三位一体ですから、どれが欠けてもいけません。とすれば、今の時代に最も大切なのは、逆転の発想で、意識的に「話をする」ことからはじめることが肝要であるように思います。


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