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事業“昇慶(しょうけい)”塾 株式会社名南経営 取締役 亀井英孝
現社長には代替性、後継者には後見意識と切磋琢磨
2008/12/01

前回に引き続き、片腕に求められる要件の第3弾です。現経営者と後継者では適した片腕が異なること、また後継者の片腕は「心の共有」を超える何かが必要です。



 そして第三の要件が「経営者の代替性」、即ち時々に発生する諸問題に対して、経営者に成り代わって解決することができることです。これこそが経営者が心から求めるものではないでしょうか。これまでお会いした経営者の方々の幸せ感の共通項の一つは、代替性の高い幹部がいらっしゃることです。「95%は事後報告です」と嬉しそうにおっしゃられていた社長がいらっしゃいましたが、まさにその最たるものだと思います。但しこれも「心情の共有」が大前提ですが。

 ここまでが一般的な片腕に求められる要件となりますが、後継者の片腕となると、少し異なる部分があります。端的に言えば、第三要件の「代替性」は余り求められません。反対に代替性が高過ぎると、後継者の成長を阻害することになりかねないからです。優秀な先代の番頭が亡くなって、残された後継経営者が何もできずに右往左往する姿を幾度も見てきました。このようなことが後継者の片腕の代替性の弊害です。

 それでは、代替性以外で後継者の片腕に求められる要件は何でしょうか。それは「後見意識」「切磋琢磨」です。前者は古参幹部(現経営者の片腕)がそのまま後継者の片腕となる場合に特に求められるもの、後者が新たに片腕となる者に主として求められるものです。戦国時代を例に取れば、前者の代表選手は親子二代に仕え、「うつけ」と呼ばれた織田信長の教育係として根気強く諭し戒め、最後は陰腹を切って敦盛を舞い、命を賭して自覚と変革を促した平手政秀、後者は「事の難に臨みて退かず、主君と枕を並べて討死を遂げ、忠節を守るを指して、侍と言う」と遺言した徳川家康本陣四天王の一人、本多忠勝を挙げておきましょう。この二人を通じて、後継者の片腕には単に「心情の共有」だけでは留まらない何ものかが必要なことを感じていただければと思います。


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