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事業“昇慶(しょうけい)”塾 株式会社名南経営 取締役 亀井英孝
後継者と共に一つのプロジェクトを任せ切る
2009/01/26

後継者とその片腕が社内の信頼を勝ち取るためには「専門性」が欠かせません。しかし、それは短期間で身につくものではありません。成功事例をご紹介します。



 後継者とその片腕を育てていこうとする場合に、留意しなければならないのが、「社内の信頼」です。

 別稿【片腕意識を醸成する5つの要素】において、後継者が片腕からの信頼を得、心情を共有しよう、後見人として支えていこう、切磋琢磨していこうという強い意思と意欲を醸成するために持つべき魅力5つの要素として「コミュニケーション能力」「対人感受性」「論理性」「若さ」「感謝心」を挙げましたが、これらの実現によりタッグを組んだ後継者・片腕ペアが、社内からの信頼を勝ち取るためには、いまひとつ重要な要素があります。それが「専門性」です。

 株式会社リンクアンドモチベーションの小笹氏がその著書「会社の品格」において、リーダーの影響力の源泉5つの要素の筆頭に「ある特定分野に長けている、メンバーよりも経験がある、ある分野で高い評価を受けている、そういった専門能力があるかどうか」と解説されておられますが、まさにこの視点が大切なのです。

 しかしながら後継者にしろその片腕にしろ、他の社員さんより若く、経験値が劣っていることの方が多いもの。その中で「専門性」を短期間に身に付けるためには、ひとつのプロジェクトを任せ、やり切らせることが最適です。またこの経験は経営者の疑似体験ともなり、後継者教育に直結するものとなります。テーマは問いません。但し、全く見込みの立っていない新規事業や商品開発など、成果の実現度が曖昧なものは避けた方が良いでしょう。「敗戦の将」の烙印を押されてしまう可能性があります。私どもではISO取得や社内システム構築など、成果がはっきりし、実現可能性の高いものをお勧めしています。

 当社のお客様の中には、後継者・片腕ペアにISO取得の任を与え、認証取得という錦の御旗を立てて、社内での地位を確固たるものにしたという事例が数多くあります。ISOは基本的に原理原則で成り立つ仕組みの世界です。だから系統立てて仕事全体を知ることができます。その上に、最高の権威としてのリーダーシップ力を養うことができる。さらにはその取得活動を通じて、仕事のみならず、会社や社員さん、そしてお客様のことを考える機会も増えます。まさにいいことづくめなのです。

 プロジェクトを任せるに当たっては、経営者自らが目標と納期を明確に示し、徹底的に詰め、如何なる状況であろうとも達成させ続けることが大切です。こうして生まれた達成感は“自信”を生み、その“自信”が更なるチャレンジングな行動を生み出します。“善の循環”が始まるのです。そして自信に満ちた行動は輝きに満ち、「この人たちについていきたい」という欲求をも醸成することができるものです。いずれにしても「達成させ続ける」ことが肝要なのです。


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