プロジェクトの実施に際して後継者・片腕ペアが陥る失敗は、欠点からアプローチする姿勢に端を発することが多いものです。しかしプロジェクトによる改革を実現しようとするならば、まず長所・強みを徹底的に活かそうとする姿勢が大切です。要するに「何を残し、伸し、磨いていくか」を優先させることが肝要なのです。今の時代、欠点のない会社ではなく、とんがった長所・強みを持つ会社でなければ生き残ることはできません。
現に改革に成功している会社では、「お客様が当社をごひいきしてくださるのは何故か?」「他社と比較して当社が優れている点はどこか?」「当社の経営資源のうち、眠ってしまっているものはないか?」などの観点から自社の強みを徹底的に洗い出し、それを活かし伸ばすことに軸足を置かれています。
かといって欠点を放置しているわけではありません。強みの更なる強化を最優先で目指す中で、それを阻害する要因を潰す、それが結果として欠点の克服に繋がっているのです。
このような取り組みは、社員からの後継者・片腕ペアに対する信頼と自己への自信、そして改革に向けた更なる勇気と意欲を生み出します。磐石な後継経営者体制への早期移行に貢献するものなのです。逆に欠点排除のみの姿勢では、敵対と失望と意欲減退につながりやすいので注意が必要です。
そしてこのような取り組みを通じて、後継者は片腕と共に自らの明確な方針を明らかにし、浸透させていくことが大切です。その方針は、現経営者の理念に立脚しつつも、後継者自身の時代を見据えたものでなければなりません。「この人生で何を実現しようとしているのか」「事業を通じて社会にどのような影響を及ぼそうとするのか」を徹底して考えることが大切です。そしてそれを明文化し、朝礼・会議や懇親の場、社内報やメールなど、フォーマル・インフォーマルを問わず、あらゆる場面で浸透させていくのです。そしてこの方針の明確化の取り組みが、後継者と片腕の「心情の共有」「後見意識の醸成」「切磋琢磨の環境作り」につながっていくことになります。
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