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事業“昇慶(しょうけい)”塾 株式会社名南経営 取締役 亀井英孝
当代は次代のプロデューサー
2009/02/23

後継者教育において重要な「現場経験」の意義と譲る者・継ぐ者の心構えについて振り返ります。



 事業“昇慶”第五の要諦「体制の構築」に関するポイントの最後に、片腕育成とは別個に行う後継者育成について考えてみたいと思います。それは「現場経験」です。

 現場では徹底して現状の作業とその流れを教えてもらいます。これは自社の現状を正しく認識してもらうためです。ですから、できればすべての部門を体験させる必要があります。一つの目安としては三ヶ月。後は仕事の特性によってさじ加減します。

 この現場体験は非常に重要です。まずは末端で働いてくれている社員さんの苦労を、わが身を持って知ることができること。共に働く、自らの力になってくれるであろう社員さんの苦労を知らずして、本物の経営者になりようがありません。

 第二に、現場は会社組織の最前線ですから、例えば営業であれば、お客様がどのような欲求・ニーズを持っているか、肌で感じることができます。製造であれば、現場の問題点を体感することができます。要するに自社のありようを、現実感を持って知ることができるのです。

 この現場体験がないと、「頭でっかちの口だけ人間」になってしまうのです。逆に十分な現場体験は、常に現場を、社員さんを慮れる優秀な経営者を育てる肥やしとなります。

 但し現場においてまずは“思想”を学ばせてはいけません。思想は経営者自らか、自らが信じた社外の“誰か”に任せるほかありません。この部分は、決して社員さんに任せてはいけないのです。後継候が経営者になったときの障りになるものです。

 最後に譲る者と継ぐ者、お互いの心構えについて考えてみましょう。

 まず譲る側である現社長には、「当代は次代のプロデューサーである」という認識を是非お持ちいただきたいと思います。

 一方継ぐ者は、まず何よりも自分を生み育て、継ぐことができる会社をここまで存続・発展させてくれた親と先達に対する感謝の気持ちを持ち続けることです。経験則ですが、親に対する感謝心なく成功された後継者はおられません。

 プロデューサー意識と感謝の気持ち、このお互いの心構えが、真に素晴らしい事業“昇慶”を実現できるベースになるものと確信しています。

 本稿を持ちまして、36回に亘りお伝えしてきました「事業“昇慶”塾」は終了となります。長らくのお付き合い、ありがとうございました。


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