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WEEKLY REPORT 名南経営センターグループ代表 佐藤  澄男
廃業企業を分析する
2005/04/02

国民生活金融公庫総合研究所の調査結果より、廃業が多かった経営者の属性について検証しました。

国民生活金融公庫総合研究所が平成16年11月1日に発表した「新規開業企業を対象とするパネル調査結果」を見ました。この調査結果は国民生活金融公庫のホームページで紹介されています。

 国民生活金融公庫ホームページ
   http://www.kokukin.go.jp/
  上記調査結果の紹介ページ
   http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/shinki_panel01.pdf

 今回のレポートでは、同調査における「廃業」に関する結果について考察してみたいと思います。

 同調査は2001年に開業した2,181社を調査対象としていますが、そのうち2003年末時点の存続企業は87.4%、廃業企業は8.4%となっています。業種別では、飲食店、小売業の廃業割合が高く、逆に美容業や自動車整備業、土木建築サービス業においては廃業割合が低いのが特徴です。

 同調査では廃業企業を更に調査し、廃業が多かった経営者の属性として、「開業年齢が高く、斯業経験年数が短い廃業企業の経営者が多い」という結果を導いています。

 斯業経験とは、「現在の事業に関連する仕事をした経験」を指すのですが、開業以前にこの斯業経験がどの程度あったかは、当然、開業後の成功を左右してきます。当然、調査結果にあるように、経験が短いほど廃業の確率が高くなるのはうなずけます。実際、廃業した企業の約5割が斯業経験5年以下の事業者でした。

 しかしここで更に注目したいのは、「どうやらこの斯業経験は、長すぎてもいけない」という点です。斯業経験が21年以上というベテランの開業者のデータに注目してみると、存続企業では16.5%、廃業企業では16.0%を占め、大きな差異がありません。

 つまり、あまり経験が長いと、経験を積む間に技術が陳腐化したり、視点が固執して柔軟性に乏しくなる等、むしろマイナス要因も増えてきてしまうということではないでしょうか。

 このデータは、我々現役の経営者にも大きな意味を持つデータです。過去の成功体験が仇となり衰退した企業の例は後を絶ちません。

 以前ある経営者が私に、「トップは20年以上やるべきではない」と強調しました。どんなに優れた経営者であっても、20年もやると考え方が陳腐化しマンネリ化し、時代に合わせた視点で判断することが難しくなります。当然、制度疲労も生じてくるでしょう。

 この場合は、トップも含めヒトを思い切って変えてみる等の大きな変革をしないと、次の時代への前進ができなくなってしまいます。

 経験は、積み重ねが大切ですが、重ねすぎも大きな仇となる場合があります。ベテラン経営者が舵を取りベテラン従業員の多い企業においては、新鮮さを保つための取組みも、真剣に検討されてはいかがでしょうか。

   名南経営センターグループ 代表    
    税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男


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